多くの企業では育児・介護休業法の改正などもあり、男性育休取得促進のためにさまざまな対応策がとられています。ユニアデックスでも、男性社員の育休取得率は年々増加しており、取得のしやすい職場環境を目指して積極的に推進活動を進めています。その活動のひとつであるユニアデックス男性社員の育休模様をご紹介するシリーズの第4回目をお届けしました。今回、第4回目に登場した社員(大塚)の上司である須貝執行役員から復帰後の期待など、率直なお考えを伺いました。
育休バックアップ計画
大塚さんとは、所属する情報システム部の担当役員として、グループ会社横断的なプロジェクト活動を通じて、交流がありました。何事にも積極的にチャレンジし、周りへの気配りができるので、仕事もそれ以外のプロジェクト活動でも大いに活躍してくれていた印象です。
それに大塚さんは、情報システム部のリーダー的な存在。いわゆる大黒柱の役割を担っていました。育休については2回目でもあり、1年間という取得期間についての驚きは無かったです。それは、BIPROGY グループ内では先例があったので珍しくはなかったからです。
しかし、現場では大黒柱が不在になるので、業務体制の整備をしなければなりません。当然、現場はパワーダウンすることになりますが、職場では育休は取ってもらうべきという「助けあい」の意識が芽生えていました。休暇半年前から、「育休バックアップ計画」を立てて、引き継ぎなどが効率的にできるように上司と連携して準備を進めていきましたね。計画的に引き継ぎができれば、本人も安心して業務を任せて休暇に入ることができます。
育休による職場への影響
大塚さんは、1回目の取得時に属人化していた自身の業務を棚卸しして、見直して、マクロを組み、自動化できる業務は可能な範囲で自動化行いました。今回は、前回の倍の休暇期間になります。前回効率化した業務の手順などを再度見直して、メンバーの誰でも作業ができるようにより工夫をしていました。
常に、業務の効率化を組織全体として考えていますが、その一方で個人個人の仕事の効率化というレベルでは、まだその意識が薄いかもしれません。例えば、業務を引き継ぐことが属人化の防止や抑制を意識するきっかけとなり、自分の業務も改善しようという意識につながるのではないかと思います。
一見、育休と業務効率化はあまり関係がないようにみえますが、こういった気づきや意識改革ができる点は、とても良い影響であるとも言えますね。
実は大塚さんの後任者は、他部署からの異動者でまだ日が浅いのですが、リーダーの役割を担うことになります。荒治療になるかもしれませんが、個人が成長するための良いステップにもなると考えています。本人も「リーダーができるか分からないけれども、ムズカシイを楽しみたい!」と話しているそうです。このように後任者が前向きな気持ちで受け止めてくれたのは、大塚さんが後任者に対して、自分事として相手の立場になって業務の効率化をとことん考えたからだと思います。
復帰後に期待すること
大塚さんはじめ育休取得者が一時、仕事から離れて育児に専念することは、長い会社人生の中で「仕事からは得られないかけがいのない経験」をすると思います。本人にもその経験から、メンバーや後輩たちに対して多面的なアドバイスやフォローができるようになることを期待しています。
そういうマインドを持った社員が増えていくと、同僚のさまざまなライフイベントに対して、自然とお互いが助け合う文化が醸成するのではないかと考えています。育休が切り口となり、ざっくばらんになんでも話し合える職場づくりにつながると良いですね。
お互いさま意識のある職場にするため
社員のライフイベントは、子育て中、子育てが終了、介護中、自身の傷病など、千差万別です。一人一人の価値観が違うので、それを理解するためには、普段から仕事以外の話ができる雰囲気やコミュニケーションがとても大切だとお話しました。
「相互理解」を深めるには、コミュニケーションを通じて自己もオープンになる努力が必要です。シンプルに明るく・楽しい・話しやすい職場は、居心地がいい。そういう「場づくり」は、マネジメントだけでも、社員だけでもできません。
また、ハイブリッドワークが主流の今、上司と部下、先輩と後輩、同僚同志の関係の中で、コミュニケーション不足から、意思の疎通ができずにモヤモヤしたり、疎外感を持ったりする人も多くいるでしょう。こういう働き方の時代では、改めて「コミュニケーション推進活動」は、欠かせないと思いますね。
コミュニケーションを活発に行い、お互いを知ることで「お互いさま意識」を持つ個人が増え、そのマインドが職場にも広がり、ひいては会社の文化になる。こんな連鎖が生まれて欲しいですね。
【男性育児休業取得者へのインタビュー:バックナンバー】
家族とともに明日を創っていく力にもなる: vol.4
育休期間中も復帰後も、「精いっぱい育児に全力投球」しています:vol.3
常駐先のお客さまからも応援されて:vol.2
引き継ぎ担当となった矢先に自分も育休をとることに:vol.1