男性の育児経験は、家族とかけがえのない時間を過ごせたるだけでなく、今後の人生感にも仕事上のキャリアにも大きなメリットがあるのではないでしょうか。ユニアデックスの男性社員の育休模様をご紹介しているシリーズ。第4回目の今回は、第1回に登場した大塚が、第3子を授かり2回目の育休を1年間取得することを決めました。家族と過ごす時間への期待や仕事を仲間に託す際のポイントなどを伺いました。

プロローグ

情報システム部で、社内システムの運用業務を担当しています。ユニアデックスに入社したのは2011年。ハードウエア主管部やサーバーチーム、DX(デジタルトランスフォーメーション)チームを経て、2021年に現在の部署に異動しました。主に、社内システムの運用業務を担っています。4歳になる長男が生まれた時は、コロナ禍でテレワークになったタイミングで育休は取得せず。2人目が生まれた時は、半年間育休を取得しました。その時に誕生した長女が2歳になったところです。そして3人目が生まれるので、7月から1年間の育休を取得することを決めました

1回目の育休取得を振り返って

1人目が生まれた時は、テレワークだったので、多少ですがおむつ交換をしたり、ミルクをあげたり、たまに夜起きた時に対応したりというのはできていました。

でも、育休に関してはあまり意識しておらず、ほとんど妻に任せっきりでした。振り返ると育児の大変さについて具体的に想像できていない部分もあったと思います。当時の上司から「育休を取得する?」と聞かれたのですが、育休を取得して育児に参加することまでは意識していませんでした。

しかし、2人目の妊娠が分かったときは、1人目がまだ手がかかる中で新生児が増えるので、「これは妻1人では大変すぎる・・・」と改めて感じ、思い切って育休を取ろうと決めました。

ひととおりの育児を自分でもできるようになりたい、と思ったんです。取得期間は悩みましたが、どうせ取得するならまとまって休んで育児に集中したいと考え、結果的に半年間、育休を取得することに決めました。

当時、男性の育休取得はまだ前例が多くなかったので、同僚に負担を掛けたくないなと思いました。できるだけ早く上司に伝えた方がいいと考え、育休開始希望の半年前、2022年1月に相談しました。

業務については、すべてリストアップして3カ月かけて同僚に引き継ぎをしました。自分の業務をリストアップしたことで全体像が見え、「ムダはなくす」意識で業務をシンプルに、最適化することができましたね。また、マクロを組み、自動化できる業務は可能な範囲で自動化を。これらのツールは、今回の引き継ぎに際しても役立っています。頑張って作って良かったと思いましたね。こうして半年間の育休を取得して2023年2月に復帰しました。

画像: 1回目の育休取得を振り返って

育休中のできごと

妻と赤ちゃんが一緒に家に帰ってきて、妻と交代で夜中3時間置きのミルク対応が始まりました。最初は戸惑いましたが、少しずつ慣れてきて、1人でおむつ交換や寝かしつけ、泣いたらあやすといった対応があまり苦にならずにできるようになりました。

そんな中、生後2カ月の長女が病気で入院することとなりました。長女には妻が付き添ってくれ、私は長女と妻の着替えなどの荷物受け渡しで病院と自宅を何日も往復しました。長女がようやく退院できることが決まったときには、狙ったかのように長男が別の病気になりました。次から次へと色々なことが起こり、このときは本当に育休をとっていてよかったなと思いました。

子供に何かあると仕事を中断して保育園に迎えに行く必要がありますし、場合によっては病院にいきます。そして、自宅で面倒を見ないといけないことも多いです。都度同僚や上司との調整にも気を使うので、まとまった育休のおかげで本当に気が楽でした

2回目の育休に向けての準備

第3子が生まれるので7月から2回目を取得します。妻とも「今回も育休は取るよね」という共通認識でした。どれくらいの期間にしようかと話し合い、制度上可能な範囲の1年間、育休を取得することにしました。

偶然にも3人目の誕生が、2人目の誕生日とほぼ同じタイミングになりそうなんです。そのため、育休までの流れは2人目の時とほぼ同じで、取得希望日の半年前となる1月に上司に伝え、次年度の組織が決まるくらいのタイミングでメンバーにも伝え、3月中旬から引き継ぎを開始しました。

お客さま対応が多いなど、部署によっても育休の取りやすさや引き継ぎの方法は異なると思いますが、社内でも「男性育休」がキーワードとしても出てくるようになりました。以前よりは育休取得を希望する男性が職場に言い出しやすい雰囲気にはなったかなと思います。

また、イントラに育休に関する情報がまとまったポータルサイトがあるので、どのように手続きをすればよいのか、参考にしながら進めることができました。

画像1: 【DE&I レポート】家族とともに明日を創っていく力にもなる:男性育児休業取得者へのインタビュー vol.4(2024年9月10日号)

男性社員の育休取得について

まず、会社の制度を充実したものにすると同時に、男性社員の意識も変えないと育休取得は広がらないのではないかと思います。

僕自身、繰り返しになりますが1人目の時は「育休は自分から遠いもの」と感じていました。せっかく上司に「育休取るか?」と言われましたが、「いえ、大丈夫です」と即答してしまったことを、今は後悔しています(苦笑)。

仕事面では、1回目は半年間の取得でしたので、同じ年度内に復帰できましたが、今回は1年。休暇中に年度が変わることになりますので正直、不安はあります。上司やメンバー、組織がどうなるのか、また、担当するシステム部門では年度ごとの切り替え作業が問題なく進められるのかなどさまざまです。また、長期間の取得なので金銭的な不安もありました。

ただ、そこまで心配していない部分もあります。

引き継ぎに関しては、業務の棚卸や標準化に向けた試行錯誤を通じて、自分の強みを再発見できたり、チームとしてのコミュニケーション力をより高めたりするきっかけになると感じています。例えば、私が引き継ぎ時に特に意識しているのは、作業の必要性を明示すること。これは前回の取得時からさらに磨き上げた部分でもあります。「どういう目的でやっているか」「なぜこの作業が必要なのか」これらがなるべく分かるように。その背景も含めて資料に記載することで手順通りにいかないときに応用が効くからです。共有知を高めることでメンバー同士のフォローアップもしやすくなります

金銭面については、制度の整いつつある国の給付金が心強い存在になります。半年間は元の給料の67%(所得税対象外かつ保険料もかからず、実質約80%)、以降は1年まで50%が支給されます。この金額で計算してみて、「何とかなりそうだな」と思えたことも1年間の取得に踏み切れた大きな理由です。

しかしこの点で、初めて育休を取得する人にお伝えしておきたいのが、最初の給付金が入金されるのは育休取得の3~4カ月後になることです。そのため、数カ月は生活できるだけの貯蓄が必要なのかなと思います。

家族と過ごすかけがえのない時間

やはり本音を言えば、不安もあります。しかし、今は期待の方が大きいです。これから生まれてくる子どもを1年間、間近で見守れることがすごく楽しみです。日々の成長をじっくり味わいたいと思います。同時に、上の2人の子どもたちとも、一緒に公園で遊んだり、散歩したり、関わる時間を大切にしたいです。

育休を取得して、家事も育児も一通りできるようになりました。人としての生活力が高まったのも、育休のメリットだと感じます。ママより先に起きてミルクをあげるなどの世話をする、子どもと2人だけで出かける、病院に連れていく、保育園などの送迎をするなど、そういうことが当たり前にできるパパはまだそんなに多くはないと思います。

実は、1人目が生まれた時、生まれたばかりの子どもに会って手や頬を触ったその瞬間に、「これは育休を取らなきゃダメだなぁ」と思ったんですよね。本当に小さな手で僕の指を握ってくるんです。

「この子ともっと一緒にいたい。近くで育てたい」と思いました。だから、もし育休取得を迷っているなら、まずは取りましょうと言いたいです。その時しかない子どもの成長を見られないのはすごくもったいないと思います。子どもを間近で育てられるのは嬉しいし、ワクワクするし、楽しいですよ。そんな純粋な気持ちが明日を創っていく力にもつながっているのではないか、そう感じています。

エピローグ :奥さまからのメッセージ

家族が増えることによる家庭内の『心のケア』を共にしていきたいと期待しています。2人目の育児休業を半年取得してもらった時は、新生児から生後6カ月頃までという貴重な時間を下の子中心に育児を率先し、子どもたちの父親として頼れる存在でとても助かりました。一方で家族が増えることに対して産後の私や上の子、そして夫自身の『心のケア』についてはまだまだできることがあったのではと感じています。

そのため、今回は上の子たちの育児を中心に担当してもらい、赤ちゃん返りといわれる現象として4歳、2歳というまだ甘えたい年頃の子どもたちの心のケアを夫婦二人で気遣い共有しあいたいと考えています。

そしてなにより育児の楽しさも辛さも一緒に分かち合える話の通じる大人がいることはとても大きいです。夫として妻の心のケアも同時に期待しています。

画像: エピローグ :奥さまからのメッセージ
画像2: 【DE&I レポート】家族とともに明日を創っていく力にもなる:男性育児休業取得者へのインタビュー vol.4(2024年9月10日号)

上司からのメッセージ:復帰後に期待すること(執行役員 須貝達也)
大塚さんはじめ育休取得者が一時、仕事から離れて育児に専念することは、長い会社人生の中で「仕事からは得られないかけがいのない経験」をすると思います。本人にもその経験から、メンバーや後輩たちに対して多面的なアドバイスやフォローができるようになることを期待しています。

そういうマインドを持った社員が増えていくと、同僚のさまざまなライフイベントに対して、自然とお互いが助け合う文化が醸成するのではないかと考えています。育休が切り口となり、ざっくばらんになんでも話し合える職場づくりにつながると良いですね・・・

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