ユニアデックスの片澤です。
今回のゴールデンウィークは、久しぶりの移動制限がない大型連休だったと思いますが、いかがお過ごしでしたでしょうか。私もほぼ同じタイミングでニューヨークとワシントンD.C.に足を運んでみました。
高速デリバリーを体験
米国もイースター(誕生祭)に合わせて、スプリングブレイクというものが学校にはあり、4月に1週間程度お休みになります。大体、そのタイミングに合わせて親も休暇を取るという感じです。
また、学校や地方によって休み期間が異なるので、飛行機の予約や車の渋滞、ホテルなどの混雑が分散されるので、非常に合理的だと感じます。
それでもパンデミックからエンデミックとなったので、各地、混雑していました。米国空港の搭乗セキュリティーをオペレーションしているTSA(Transportation Security Administration)の1日当たりの人数を見ても、かなり以前に戻っています。
さて、ご報告したかったのは、旅先で先月号(Vol.26)にて紹介した高速デリバリーの体験をしてきました。
今回利用したのは、Gollirasというサービスです。記事の中でも紹介しましたが、高速(15分)デリバリーを少し疑ってました。そんな15分で本当に届くのかと。。。で、実際のところは、、、10分くらいで届いちゃいました!旅先での利用は、意外とメリットが多いと実感しました。
●知らない土地のため、お店を調べて買いに行くより、デリバリーは楽
●ホテルのルームサービスより、なんといっても安い(シティーホテルではルームサービスもない場合が多い)
●アプリで気軽に依頼することができる。
●商品、種類も多い。アルコールも大丈夫
そしてもう一つが、シェアキックボードやシェアサイクルサービスです。
ベイエリアに住んでいると観光地が局所化されていますし、いつもは車で移動するのでシェアキックボードとかサイクルを利用することはありませんが、ワシントンD.C.はシェアリングエコノミーの大きなマーケットエリアでした。アーバントラフィックは、地下鉄やバスなどがメインですが、路線や時間が決まっているため、細かな移動は少し不便。そこで思ったときにさっと利用できるのが、シェアリングエコノミーの良い点でした。
● 知らない土地のため、バスなどの路線がぱっとわからないので、目的地間の移動がダイレクトにできる
●アプリで気軽に利用することができる。初見でも簡単
●利用予約ができ、時間単位での占有も可能
しかし、利用にあたり、都市側や事業者側による整備面が大きいと感じました。まずは、専用レーンの確保です。安全面を考慮すると車道を走行することはなかなか厳しいですし、歩道には歩行者がいます。今回利用したワシントンD.C.では、車道と歩道の間にサイクル用の専用レーンが整備されていました。また、サイクルの利用台数の片寄りや充電切れをなくすために人力での作業も必要です。実際、トラックで何台も運んでいるケースが見受けられたので、運営コストも確保する必要があります。実際は、ユーザー側への課金に多くは含まれていると感じました。約1マイル(1.6㎞)、約20分利用して、10ドルでしたので、少し割高感がありますね。
一方、知らない場所で、街を見ながらゆっくり走れるのもなかなかない経験でしたので、そういうことを踏まえると観光地での利用に非常に適しているのではないかと感じました。皆さんも利用する機会があれば試してみてください。
EnterpriseConnect 2022レポート
今回は、前段が少し長くなりましたが、ここから本題に入ります。
EnterpriseConnect 2022というイベントに参加してきました。このイベントは、コミュニケーション、コラボレーション関連やコンタクトセンター関連のテクノロジーのサミットで、これからのオフィスコミュニケーションのあり方などをリサーチする目的で参加しました。
メインのKeynoteは、Microsoft、Cisco、Zoom、RingCentralなどのコラボレーション製品を提供している企業でした。各社が総じて語っていたことは、「ハイブリッドワーク」です。
過去2年ほど続いた『パンデミックによるリモートワーク』から、企業側が本格的にオフィス再開しており、これに対応するために『ハイブリッドワーク』を取り入れる必要があるということです。
4月に入り、オフィス再開をした企業も増えてきました。テック企業の動向を見てみましょう。
こう見てみますと、AppleやGoogleは、出社要請はあるものの、毎日ではない。出社しない日は、リモートワークになる。その他の企業もリモートワークが基本になります。
ちなみに、Appleは、出社要請に抗議するグループ『Apple Together』が社内で立ち上がったり、機械学習のディレクターが会社を辞めるとツイートしたりなど内部では問題が起きているとのことです。また、Googleに関してもこれからサンノゼ市に広大なキャンパスの建設が控えていますし、対面での価値を推し進める以上、完全リモートにはしづらいお家事情があるのかもしれません。
さて、話を戻しましょう。
「ハイブリッドワーク」は、オフィスワークもリモートワークもどちらも認められ、これからの仕事のスタイルとして期待されています。
このデータでは、約4割の企業がハイブリッドワークを予定している結果が出ています。また、約3割がオフィスに戻りたくないという約35,000人の調査結果やスタンフォード大学の調査結果では、従業員の約31%は、週5日間リモートワークであることを願っているようです。
読者の皆さんもそうかもしれませんが、家庭内のワークスペース環境が、会社のデスク環境よりも快適になっている場合もありますよね。
ハイブリッドワークに向けた技術アップデートが加速
こういった将来の働き方に合わせて、テック企業側もハイブリッドワークに対応するための投資を加速させて、リモート対応からハイブリッド対応への技術アップデートも推進しています。
Microsoft 対面とバーチャルのコラボレーションにフォーカスし、社内の会議室内で、Teamsに参加している人を認識し、Teams上で個別に分けて表示をする機能を提供。また、イベント会場で盛り上がっていたのは、Teamsを起動したまま、自分がTeamsに参加しているミーティングルームに移動した際のハウリングを自動的に抑える機能です。地味ではありますが、必要な機能かと思いました。
Cisco ハイブリッドワーク向けのコンセプトビデオの紹介に加え、Webexのホワイトボード機能を発表。また、AppleのAirplayサポートや日本ではなかなか利用シーンが難しいですが、リモートオフィス場所の一つとして車内を想定し、今回、Fordとの連携を発表していました。Ford車内のアプリケーションの一つとしてWebexを利用できるようにし、車内からミーティング参加が可能になります。
Zoom ミーティングアプリケーションのイメージが強いですが、オフィスでのサービスも充実していることをアピール。ハイブリッドワークのオフィス側にフォーカスし、Zoom Rooms、Virtual Kioskやデジタルサイネージ端末、会議室予約やスペース予約システムなどを紹介していました。また、ZoomはZoom AppsというAPI連携ソリューションにも力を入れており、ドローンのカメラや監視カメラ接続など幅広い利用シーンを狙っています。
コミュニケーションツールを提供しているこれら大手ベンダーは、「オフィス内とリモートの参加者に同等のエクスペリエンス(参加体験)」を提供する必要性を強調しており、まずはここを整備していくことを推奨しています。ここにプラスする形で、AIの文字起こし、リアルタイム翻訳、議事録作成、ミーティング内容の分析などがアドオンされていく流れのようです。
次にイベント展示会場では、前段の写真のように非常に混雑していて、展示企業数も大変多かったです。大手企業もブースを構えていましたが、今回はスタートアップにフォーカスしたいと思います。
IT管理者の目線に立ってみるとリモートワークやハイブリッドワーク対応は、非常に困難な環境であることを忘れてはなりません。その場合に必要となってくるのが、「状態の可視化」と「品質の見える化」です。また、企業ごとに利用するコラボレーションアプリが違うため、今後はマルチベンダー接続も視野に入れるという点も必要なポイントかと思います。%%
仮想化を手掛けるスタートアップ企業
では、可視化という観点でスタートアップ企業を紹介します。
Vyopta 本社 テキサス州 ウエストレイクヒルズ。シリーズB(米国のスタートアップに対する投資ラウンドの一つ)で2,450万ドルの資金調達実績。
ユニファイドコミュニケーションの統合品質マネージメントツールを提供。このツールでは、企業内で利用しているVoIPに関する品質やコール頻度の分析などの可視化と日々の品質調査を実施することが可能。Microsoft365, Zoom, Cisco, Google Workspacesなどマルチベンダーに対応している。
Virsae 本社 ニュージーランド。Private。ビジネスコミュニケーションツールやコールセンターシステムなどの品質マネージメントサービスを提供。リモートワーク環境が進むにつれ、環境に依存しないワークスタイルが広がっている。コールセンターなどもオペレーターは在宅のケースもある。しかし、コミュニケーションやコールセンターなどの品質は、リモート環境に依存しているため、状態が見える化できていない。これをAI/MLの抽出分析で見える化するマネージメントサービスを提供している。End toEndでの可視化が可能で、CaaS(Communication as a Service)利用しているユーザーのクライアントデバイスとヘッドセットデバイスまでの可視化を実現。
今回は、ハイブリッドワークのコミュニケーション関連の動向に関してお届けしました。いかがでしたでしょうか。EnterpriseConnect 2022は、今回紹介した内容以外のスタートアップ情報なども提供できますので、ご興味ある方は、当社までご連絡いただければと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。