ユニアデックスの片澤です。まずは、COVID-19ですが、米国でも情勢がまたまた怪しくなってきました…。

画像: ユニアデックス 片澤 友浩 ユニアデックスでは、約20年以上前から米国・シリコンバレーに駐在員を配置し、現地の最新ICTトレンドや技術動向、新たなビジネスモデルの探索を実施しております。日本ユニシスグループの米国拠点であるNUL SystemServices Corporation(以下、NSSC)に所属し、今までは当社営業やマーケティングを通してお客さまに届けていた情報を、定期的にNexTalkでも配信していきます。

ユニアデックス 片澤 友浩
ユニアデックスでは、約20年以上前から米国・シリコンバレーに駐在員を配置し、現地の最新ICTトレンドや技術動向、新たなビジネスモデルの探索を実施しております。日本ユニシスグループの米国拠点であるNUL SystemServices Corporation(以下、NSSC)に所属し、今までは当社営業やマーケティングを通してお客さまに届けていた情報を、定期的にNexTalkでも配信していきます。

ワクチンレコードカードの提示が義務化の動き

先月号では、COVID-19状況が回復傾向とお伝えしましたが、デルタ株の影響などにより全米で増加傾向にあります。夏季休暇を利用して他州を訪れましたが、マスクの着用率はかなり低く、スーパーに入ってもマスクをしているのは私たち家族だけ、ということがありました。

画像: アリゾナ州グランドキャニオン

アリゾナ州グランドキャニオン

この増加傾向を抑制するため、インドアではマスク着用の義務化の復活やワクチン接種の義務化が検討され始めています。

米国のワクチン接種率は、12歳以上の2回接種が約6割弱となっていますが、州によってはまだ接種率が低い地域もあります。そして、感染者もワクチン未接種者が多いといわれています。その中で、カリフォルニア州やニューヨーク市などからワクチン接種の義務化の動きがあります。

画像: ワクチンレコードカードの提示が義務化の動き

これらと並行し、MicrosoftやGoogle、Facebookなどのテック企業をはじめ、Walmartも社員にワクチン接種の義務化を予定しているようです。

ただし、このことは出社や登校の場合の義務化ですし、陰性証明書(週1回など)でも可能としている企業もあるので、接種だけが条件ではありません。リモートの継続、出社要求などと合わせて経営側には難しい選択が続きそうです。

宇宙に近づいた米国

米国の7月は、宇宙関連で2つのビッグトピックスがありました。

Amazon創設者のジェフ・ベゾス氏が率いるBLUE ORIGINが初めての有人宇宙飛行を実施しました。本人も兄弟と一緒に搭乗し、話題を集めていました。また、これに先駆けて、リチャード・ブランソン氏率いるVirgin Galactic有人飛行を実施しています。こちらもリチャード・ブランソン氏が搭乗していました。

この映像を米国でリアルタイムに見られたことに感動しながら、今回は、宇宙マーケットに関してお届けします。 といっても領域が広すぎますので、「宇宙旅行」と「衛星インターネット」を中心にご紹介していきます。

宇宙船に搭乗する前、リチャード・ブランソン氏はさっそうと自転車に乗って現れ、映画のように宇宙に飛び立ち。ジェフ・ベゾス氏は、Amazonが出資している新しいEVのRivianに乗って、最先端をアピールしながら宇宙に飛び立っているのは、それぞれ特徴が出ていて興味深かったです。(Rivianに関しては、Vol.12の記事で紹介しています。)

現実となる宇宙旅行

BLUE ORIGINとVirgin Galactic。この2社の試みにより、商業宇宙旅行が現実になりつつあります。まずは、富裕層がターゲットになりますが、宇宙が身近になることは間違いないでしょう。

画像1: 現実となる宇宙旅行

今後、10年で、約50億ドル(約5,500憶円)から70憶ドル(7,700憶円)という市場予測が出ております。こちらのレポートニュースでは、約41,000人が宇宙旅行に行く試算結果も出ています。私たちの世代ではビリオネアや億万長者など一部の方が対象だと思いますが、子供たちの世代では一般市民に手の届くようになるかもしれません。

現在の主な宇宙旅行ビジネス企業をまとめました。宇宙旅行は、地球に近いモノから遠いモノまで大きく3つに分類されます。

画像2: 現実となる宇宙旅行

先に紹介したVirgin GalacticやBLUE ORIGINは、準軌道飛行に分類され、地球を回るというのではなく、宇宙空間に数分~数時間入る飛行体験になります。海抜100Km(カーマンライン)以上が宇宙空間といわれているため、これを超えた飛行が実質の宇宙旅行になります。

画像3: 現実となる宇宙旅行
画像4: 現実となる宇宙旅行

実は、Virgin Galacticの飛行は高度80Km強までのため、BLUE ORIGIN側は高度について指摘しています。BLUE ORIGINの公式Twitterで確認できます。

Twitter: @blueorigin tweet

twitter.com

未知の領域すぎるので、高度が80㎞であろうと100㎞であろうと宇宙まで行ってしまえばあまり大差ないような気がしますが、国際航空連盟が定めているので致し方ないですね。

また、新しい企業でSpacePerspectiveがあります。この企業は、2024年から有人宇宙旅行を計画しており、一人125,000ドル(約1,375万円)で6時間の宇宙旅行ができるそうです。すでに、2024年分は売り切れており、2025年分を販売していますので、ご興味がある方は申し込んでみてはいかがでしょうか。認可がこれからとなっていますが、気球型の宇宙船で優雅な宇宙旅行です。

次に地球軌道での宇宙旅行ですが、これは日本の皆さんには馴染みがあると思います。ZOZO創業者の前澤 友作氏が今年12月に国際宇宙ステーション(ISS)に向かって飛び立ちます。これを提供しているのが、Space adventureです。ロシアの宇宙船を利用して飛び立つ予定になっています。

それ以外に米国企業では、旅客機を製造しているBOEINGが宇宙船開発や実験を実施していますが、もう少し時間がかかるようです。
このように地球を数周回ったり、ISSに滞在したりする旅行ができるようです。映画や漫画の世界に登場しているISSに行けるというのは、本当に憧れます!

最後に地球外軌道旅行では、Space Xが同じく前澤 友作氏とともに月旅行の計画を練っていると報じられています。2023年の目標とのこと。月の次は、どこかの小惑星、その先には火星と旅行ができる日が来るのでしょうか。

宇宙と衛星インターネット

電気自動車のTesraでお馴染みのイーロン・マスク氏が率いているSpace X社が昨年、民間企業として初めて有人宇宙飛行実施した(米国としては9年ぶり)ことは記憶に新しいと思います。 その後も複数回ISSを往復しています。

画像1: 宇宙と衛星インターネット

そのSpaceXが次世代の通信サービスとして事業展開を開始したのが、衛星を利用したインターネットサービス「Starlink」です。 以下では、今後の宇宙ビジネスでの売上予測が示されていますが、市場で最も期待されているサービスです。

画像2: 宇宙と衛星インターネット

日本ではなかなか実感することはありませんが、有線インターネットや携帯の無線通信サービスが利用できない地域が世界には多くあり、その解決策として低軌道衛星によるインターネットサービスに注目が集まっています。

その中でいち早くサービス提供しているのが、Space Xです。同社は、Starlinkという衛星通信サービスを米国で開始しました。Starlinkすでに、約1,700基の衛星を打ち上げており、最大300Mbpsの通信を提供。北極を除いてほぼ全域で接続できる環境は整っているようです。現在、アメリカとカナダでサービスを提供しており、今年末までには利用ユーザーを50万人まで伸ばす予定とのこと。

そして、直近では、同じく衛星通信を提供しているSwarm Technologiesを買収するというニュースが発表されました。小型の衛星を利用したこちらもインターネット通信を提供しています。どのようなコラボレーションになるのかは発表されていませんが、Swarmは、すでにIoT向けの製品をリリースしていることもあり、グローバル規模のIoTデバイス向けのサービスとリッチコンテンツ向けのStarlinkという構図になるのかもしれません。非常に興味深いニュースです。

画像: Starlinkの衛星基地局

Starlinkの衛星基地局

また、AmazonもProject Kuiperを始動させています。 昨年7月にFCC(米国連邦通信委員会)の認可が下り、3,200以上の衛星設置とサービス提供を予定しています。2026年までに半分を打ち上げ、2029年までにすべてを設置予定としています。同社は、同じく衛星通信事業を検討して断念したFacebookから新たな技術者を招き、現在、Starlinkに追いつくべく、500人体制でプロジェクトを進めています。両社とも、地上側はパラボラアンテナを介して接続する形態にです。

画像: Starlinkの地上用のアンテナ設置イメージ

Starlinkの地上用のアンテナ設置イメージ

AST SpaceMobileは、衛星と携帯端末ダイレクト通信を実現しようとしている企業です。2022年にSpaceXのロケットで衛星を飛ばす予定になっており、693平方フィート(約64㎡)の大型フェーズドアレイアンテナを搭載した衛星で、240万平方マイル(620万㎢)をカバーすることが可能とのことです。これは米国の国土の約2/3にあたります。3GPPの規格に則っているため、LTEでの通信が可能なので速度も期待でき、日本では楽天が出資をしており、利用を検討しているそうです。

これらの衛星インターネットサービスは、5Gやこの先の予定されている6Gとは競合であり、補完する関係になると思われますが、通信エリアを限定されない地球規模でのインターネット通信が可能となるため、IoTや車、ドローン、飛行機など、乗り物の自動運転などのサービスにとってますます可能性が広がると感じています。

最後に予告させていただきます。ご紹介したSpaceXのStarlinkですが、サービスを申し込んでみました。現在、サービスリリースとアンテナ出荷待ち状態で、今年の年末までには利用できる予定になっています。サービス内容や実際の通信速度など、YouTube配信でお伝えしたいと思います。ご期待ください!

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.