ユニアデックスの片澤です。新年おめでとうございます。今年もユニアデック並びにNexTalkをよろしくお願いいたします!
無事に日本入国できました
少しさかのぼりますが、実は昨年の12月にVisa更新もありまして日本に一時帰国しておりました。日本到着 ⇒ PCR検査 ⇒ 2週間自主隔離 ⇒ アメリカ大使館での面接 ⇒ 約4週間Visa受領待ちと1カ月半くらい日本に滞在していて、この記事も日本で執筆しておりました。
この約1カ月半の滞在で驚いたのが、日本の普通感です。日本も日に日に自粛傾向は強くなっていましたが、電車内、飲食店内、小売店内など、人が減っているという印象を全く受けませんでした。
クリスマスや年末年始に外出している人の多さ、ソーシャルディスタンスへの無関心さには、驚愕しました。
ちょうど時を同じくして米国のカリフォルニア州では、再度自粛傾向となり旅行などはキャンセル要請、レストランはテイクアウトのみ、小売店は25%の入場規制、公園は遊具利用禁止など完全に春先の状態に戻ってしまいました。
なのになぜ、感染者数が減らないのか。。。!?早く収まることを願うばかりです。
バーチャルイベントの有効性は?
さて、1月といえば、毎年ラスベガスで開催されるConsumerElectronics Show(CES)があります。日本からも毎年多くの方が参加し、最新のテクノロジートレンドを「見て」「聞いて」「体験できる」イベントです。私も渡米してから毎年参加しているイベントでしたが、今年は残念ながら開催は、オンラインになりました。(2021年1月11日から14日とちょうど記事掲載と同じタイミングの開催)
今回は、パンデミック後から激変してしまったバーチャルイベントの有効性に関して紹介していきたいと思います。
まず、パンデミック前のイベントの形式はどうであったかというと・・・
▶大規模な業界イベント、トレードショー
▶プライベートの顧客セミナー
▶エグゼクティブ向けユーザー会
このような対面式のイベントでは、顧客/聴衆とのつながり(名刺交換)から生の声を聴くことができ、その後の商談につなげることができました。また、最新プロダクトの実機やデモンストレーションなどで実体験として確認することもできました。さらに、参加者同士のネットワーキングにより人脈を形成することも可能です。
これがパンデミック後には状況が一変。リアルで届けるということができなくなり、今までのイベントやセミナーなどの主催者側、参加企業側などは、マーケティング戦略そのものを見直さなければならなくなりました。
パンデミック後は、新規顧客獲得や情報配信の方法として、バーチャルイベントへの挑戦というのがある程度必要になっています。ただ、いきなりバーチャルイベントとなると小規模なウェビナーであればミーティングアプリケーションを利用することで開催は可能ですが、中・大規模となるとそうはいきません。バーチャルイベントは、テレビ放送のような放送設備やスキルが必要になるなど課題も多くあるため、スムーズな運営はまだ厳しい企業が多くいます。
では、バーチャルイベントの戦略とは・・・
(1)対象者を明確にし、 (2)イベントの目的、趣旨を理解する、(3)それに応じたツールと必要となる人員を準備する、という形式になるのではないでしょうか。
例えば、
(1)既存顧客に
(2)ソフトウエアプロダクト紹介をして反応を見る
(3)必要なツールは、オンラインウェビナーツール
(1)不特定多数の新規顧客に
(2)ハードウエアプロダクトを紹介して反応を見る
(3)この場合だと、オンラインウェビナーツールに加え、ハードウエアの実機を見てもらうために360度カメラを用意。カメラでのライブ配信も必要
(1)エコシステム連携企業複数社と
(2)ディスカッションしながらビジネスアイデアを模索する
(3)この場合は、自由に参加や移動が可能なネットワーキングツールと議論を発展させるためのツールやファシリテーターが必要
皆さんもご存じの通り、Cisco WebexやZoomなどでもウェビナー中のチャット機能、QA機能、終了後のアンケート機能はあります。これらでも十分かもしれませんが、参加者のエンゲージメントを高めるためには、最適なツール選択が必要になってきそうです。
このようにオンラインでは、リアルイベントよりも状況に合わせた各種選択が必要になってきます。イベントプラットフォームがライブストリーミング、プレゼンテーションコンテンツ管理、グラフィカル機能、チャット機能、およびネットワーキング機能をどのようにサポートしているかを確認することが重要です。
注目のウェビナーツールスタートアップ企業
ここからは特徴のあるイベントのウェビナーツールスタートアップ企業を紹介していきます。
HQは、イギリスにあるオンラインイベントプラットフォームを提供
今年2月にSeedラウンドに上がってからシリーズBまでトータル$140M(約140憶円)の資金調達に成功しました。 イベントの参加者受付から、個人ごとのセッション予約管理と視聴、参加企業との個別ミーティングなどをサポートします。
Expoルームでは、参加企業の紹介やミーティングリクエストができます。私も昨年参加した2つのイベントでこのプラットフォームが利用されており、スタートアップとのコンタクトやUIの見やすさなどで使いやすかった印象をもちました。
ネットワーキングに特化したウェビナーアプリケーション
日本でもかなり紹介され、利用もされているツールです。 ウェビナーからネットワーキングへの移行もスムーズで最初にウェビナーを実施し、ウェビナー後に参加者は自分が参加したいルームを選択して会話をすることが可能です。
一般的なウェビナーツールなどは、ブレークアウトセッション機能などで、ホスト側が意図的に、またはランダムに振り分けられてしまいますが、参加者が選択できるのは面白い機能だと思います。
ただ、ネットワーキングはツールも重要ですが、ファシリテーターによって議論の深さ、そこで生み出される成果が全く異なることになる点は覚えておきましょう。
視聴者のエンゲージメントを高めるバーチャルプレゼンテーションアプリ
ZoomやGoogle Meetなどの動画サービス上で利用することができ、自分で画面サイズを変更したり、背景写真やプレゼン資料を合成したりできるので、インタラクティブなプレゼンを実施することができます。テレビ放送のような見た目で視聴者に届けることができる点も特徴です。
こちらも日本ではかなり有名かと思います。そろそろWindows版がリリースされそうですので、リリース後に利用イメージなどを動画でまた紹介していきたいと思います。
360度型の没入型テレプレゼンスアプリケーションを提供
ミーティングホスト側が360度対応カメラと専用のアプリケーションを準備し、参加者はVRデバイス、もしくはPCのWebブラウザーやスマホのWebブラウザーからミーティングルームに参加し、コミュニケーションをとることができます。
参加者は、ホスト側の360度画像をリアルタイムで自分の好きな方向を見ることができ、VRデバイスに至っては、装着すると完全にホスト側の見た目と同じ感覚で360度映像を共有することができます。ハードウエアを顧客に見せるデモンストレーションや現地に赴くことができない環境でのリモートメンテナンスなどに利用されています。
最後に・・・
米国は今年もイベントはオンライン、バーチャルイベントが大半になりそうです。この連載でリアルの現場報告などは難しそうと考えます。ですので、自身の体験などをもっと動画でお届けしていきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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