今回は、「IT X 水産(お魚)」の画期的な取り組みをご紹介するために、ユニアデックスのご近所、中央区勝どきに本社があるフーディソン社の山本社長をお訪ねしました。入口で広報さんをお待ちしている間、若くゲンキな社員の方々が、「こんにちは!」「何かお困りですか?」「ご用を伺っていますか?」と次々にお声がけくださり、とても気持ちがよかったです。挨拶って本当に大事です。本編は9月号にお届け予定ですが、その前に取材模様を。
フーディソン様は、水産分野のITベンチャー企業です。飲食店向け鮮魚の仕入れオンラインサイト「魚ポチ」やおしゃれな鮮魚小売店『sakana bacca』などの事業を展開されており、水産関係者はじめメディアからも注目されている、まさに活きの良い会社です。
若い社員が多く活気がありますね。とお伝えしたところ、山本社長は「いえいえ、ベンチャーの中では平均年齢が30歳なので、おじさんベンチャーですよ」と苦笑。つぎにWebサイトがセンス良く、色合いも鮮やかでとても目をひくので秘訣を伺うと。デザインにはかなりこだわりがあり、創業時に同じ志のデザイナー兼クリエイティブディレクターを仲間にしたとのこと。魚を売りたいヒトと買いたいヒトをつなげるWebは、魚と料理が主役。魚は鮮度が命であるため写真の撮り方やデザインを日々工夫しているんだそうです。
ただ、飲食店向け鮮魚仕入れサイトの「魚ポチ」では、画像に余計な加工はしていないとのこと。魚の状態や鮮度をありのままに伝えることが効果的で重要だからです。また、「魚ポチ」サイトではITならではの工夫があります。ご存知のとおり、魚は出世するごとに名前が変わる種類があり、しかも、産地でその呼び方がかわります。それらを名寄せして、一覧で検索することができるようにしているので、利用者にとても重宝されているそうです。
山本社長の前職は、介護・医療領域で人材紹介の仕事をされていましたが、前職と水産業界のスキームが似ていると感じたそうです。それは、現地(現場)は情報がリッチなのに、消費者(利用者)はプアという情報の非対称性が共通しているとのこと。
例えば、「静岡産のアジ」という情報だけだと静岡産のアジがどんなに良いかが、利用者には伝わらない。アジは、神経を抜くと鮮度が保たれる。海老も食べているから美味しい。こういう情報が漁港から市場に流通する過程で、ごっそり無くなり、「静岡産のアジ」とだけ伝わる。ひと手間かけた美味しいアジだと納得できる情報がないと勝負できない。これが、「魚ポチ」誕生につながります。
水産業界でイノベーションをおこしつつある山本社長。熱い想いと一所懸命なお話は、本編をお楽しみに。