トップビジュアル:Yellowstone National Park(イエローストーン国立公園)
ユニアデックスの片澤です。第5回目をお届けします。
米国でもCOVID-19は、まだまだ収束の兆しが見えていません。残念ながら8月中旬から始まる学校の新学期もシリコンバレーエリアでは、これまで通りバーチャルでのDistance Learningになると案内がありました。しかも基本的には、1月まで継続と早々に決まってしまい、子供たちや学生の学力に与える影響や学校での集団生活の中から得られる対人コミュニケーションなどへの影響は計り知れません。早くCOVID-19が収束することを祈るばかりです。
そんな中でも、NBAやMLBなどプロスポーツイベントは再開され、日本人選手が活躍するニュースなど、日々の生活にも楽しさが戻ってきたのは非常にうれしいことです。
COVID-19の最新状況
今月、このStay at Homeになってから初めて、カリフォルニア州の外に出てみました。ニューヨーク州やニュージャージー州などは、州に入る際に移動規制を設けていますが、それ以外の地域は問題なく移動可能であったため、現状把握を目的に複数州を訪問してみました。
今回は、屋外を中心に行動しましたが、人の流れも結構多く、観光地は混雑していた印象です。全米が我慢の限界という感じがしました。結局のところ、どこにいても本人の自己管理、自己防衛次第といった形です。良くも悪くも自由な国、アメリカでした!
現在の米国では、
◆マスクは、どの州でも着用が求められている。ただ、実際に着用するかどうかは本人の危機意識の違いによりまちまち。
◆しかも、マスクの正しい付け方がわかっていない!(鼻が出てる。使い回ししている。など)
◆ソーシャルディスタンスは、求められているものの意識が低い。
◆宿泊施設は、ほぼオープンしているが、館内のレストランなどはクローズ。
◆博物館、ミュージアム、公園などのビジターセンターなどは、クローズが多い。
という生活状況です。
米国の投資状況
さて、2020年4月から6月のQ2が終了し、各メディアからも経済状況の動向が発表されています。次の表は、CB Insight社※が発表した2020年Q2のVC投資トレンドのUSでの投資状況です。
※スタートアップ企業やベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析するデータサービス企業
発表前はCOVID-19の影響で投資の落ち込みが予想されましたが、結果を見ると投資件数と投資金額は、対前四半期をみてもほぼ横ばいで推移しています。経済活動はかなり落ち込みを見せていましたが、企業への投資影響全体では、悲観的な状況ではないのは非常に良い傾向と思われます。
投資領域ごとに見てみましょう。
以前の記事で記載しましたが、ヘルスケアやフードデリバリー関連などはコロナ禍の影響で投資にはプラスに働いています。
Mobile & Telecomunications分野のスタートアップ
今回は、ここでも取り上げられている、Mobile & Telecomunications分野のスタートアップを2社、紹介したいと思います。
このコロナ禍でコンシューマー層まで一気に広がったサービスを提供するのが、皆さんもご存じのZoomです。毎週のように、Zoomと競合であるMicrosoft TeamsやGoogleの機能アップデート合戦が繰り広げられているのは、皆さんも目に触れるところだと思います。
これらは代表的なコミュニケーションツールですが、これから紹介するスタートアップ企業は大手が手の届かないところに機能をフォーカスし、サービス提供を実施しています。さらにエコシステム連携で大手コラボレーションツールと併用することも特徴です。
コロナ禍でビデオ会議が多くなっていると思いますが、事前に会議のアジェンダを準備し、会議後のタスクを共有するなど効率よく実施できてないケースが多いのではないでしょうか。同社の調べでは、ビデオ会議の約70%が事前のアジェンダ共有ができていないとのこと。
また、ZoomやMicrosoft Teamsを利用したことがある方はご存じかと思いますが、ミーティングの予定をアプリケーション画面で作成し、その予定やリンク情報をメールに張り付けたり、メッセンジャーで共有したりなどが普通かと思います。この作業、意外と面倒ではないでしょうか。
Docketは、これらミーティングに必要なオペレーションを1つのWebフォーマットで解決しています。Webアプリケーションとして動作するため、 アジェンダの事前作成と共有ができ、ミーティング時の議事録からタスクの共有まで1つのアプリケーション内で完結できます。
ミーティング、予定を作成する際に、ZoomやMicrosoft Teams、Cisco Webexなどのツールを選択し、依頼を実施します。自動的にミーティングルームが作成され、予定に入力されます。
また、複数のビデオ会議ツールを利用している方も多いと思いますがそれらもサポートしています。 ミーティングの会議資料や議事録などは、DropboxやSalesForceなどとインテグレーションを実施して共有することも可能です。
共同のプロジェクトやチームメンバーでビデオ会議を実施している際に資料やWebページを画面共有しながら、意見を交わすことがあります。ただ、その場合の操作は、コラボレーションツールでは共有している本人しか操作ができません。 同社は、参加者全員がWebページや資料に関しての作業ができるミーティングルーム、ワークスペースを提供しています。
最近は、SalesForceやServiceNow、GitHubなどWebベースのアプリケーションが多いため、Web上での共同作業、共同編集などニーズは増えていくと感じられます。
RemoteHQのミーティングルームです。NSSCのチームミーティングの様子(右)ですが、左側に全員がブラウザーでカーソル移動などが可能です。
ミーティングスペースで作業できるアプリケーション一覧です。Chrome ブラウザーをはじめ、MiroやYouTube などWebアプリケーションを利用することも可能で、コラボレーションに必要なホワイトボード機能なども利用ができます。
ブラウザーは、同社が用意した仮想環境のChromeブラウザーをシークレットモードで起動させます。アクセスごとに新規ブラウザーを利用し、終了後にはデータも残らないため、セキュリティー的にも安心に利用ができます。さらに将来的には、ファイル共有などもDropboxなど外部エコシステム連携をサポート予定とのことです。また、チームコラボレーションが目的であれば1つの企業内での利用が想定されますが、外部ユーザーを招待し利用することもできます。
このようにビデオ会議が便利になるのは非常に良いことで、新しいオフィススタイルの誕生、テレワークの日常化により、価値観も変わってきているのではないでしょうか。
ユニアデックスは、先に紹介したZoomやMicrosoft Teams、Cisco Webexの販売代理店でもあります。これらと連携し、お客さまの新しいビジネスシーンにマッチするエコシステムソリューションを引き続き探索、紹介していきます。
今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
文中出典:CBInsights - VentureCapital Funding Report Q2 2020
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