桂歌丸師匠インタビュー(前編)
苦労が笑い話になるように苦労しろ(2017年1月26日号)
15歳で落語の世界に入り、2016年には、50年にわたって出演していた番組「笑点」の司会者の座を後輩に譲った桂歌丸師匠。師走の慌ただしい中、地元横浜の「横浜にぎわい座」で高座に上がる前のわずかな時間をお借りして、お話を伺いました。噺家としての矜持(きょうじ)、人間としての振る舞い方など、中身の濃いインタビューとなりました。
若いうちの苦労は当たり前
―歌丸師匠は15歳の時に、5代目古今亭今輔師匠に弟子入りされます。以来、65年以上もの間、落語を続けてこられました。
自分が好きで選んだ仕事ですからね。ずっと長く続けてこられました。でも若い頃に師匠の元を飛び出したことがあって、1年半ほど高座...