NexTalkではノンフィクション作家 中村安希さん書下ろし「世界のおもてなし」を2015年2月から全13回にわたり、連載していました。この連載がリメイクされ、この度、書籍として発売されました!!
2013年の東京オリンピック開催決定がきっかけで、国内ではますます「おもてなし」精神が高まっていったと思います。そこで「海外にもおもてなし精神はきっとあり、世界のおもてなしはどのようなものなのか」。おもてなしのサービスを身上とする当社としても関連する記事をお届けしたいということもあり、世界の「食を通じたおもてなし」を紹介するシリーズを企画しました。
作家さんは、47カ国を旅した過程を書いた『インパラの朝』(第7回開高健ノンフィクション賞受賞)の著者である中村安希さんにご登場いただくことが実現したのです。
訪れたのは紛争地だったり、治安も経済状態も不安で危険な地域にバックパック1つ持って訪れ、その地の人々から決して豊かでない生活でありながら、心温まるおもてなしを受けたことが綴られていました。女性が異国で初めて会う人々の家を訪ね、ご飯をともにしてさまざまなおもてなしを受けるのです。
「え!?こんなことして大丈夫なのかしら」と最初はとても驚きましたが、中村さんには人の観察力と確かな判断力が備わっていることが分かりました。毎回初めて聞く料理にワクワクし、時にハラハラしたり、涙腺が緩んだりしながらその情景を思い浮かべていました。
特に印象に残っているエピソードは、ロヒンギャ難民への迫害のニュースが深刻になる以前、彼らと中村さんの交流の模様が胸を打ったり、内乱のリビアからチュニジアに避難してきた傷心の男性からうけた究極のおもてなしに感動したり、ミャンマーではラマダーン(断食)明けに、ある家族と食事を共にできた中村さんの喜びに共感したり、今でも情景が思い浮かびます。
NexTalkでの連載は、2016年12月で終了しました。それから4年後の2020年9月に中村さんは「もてなしとごちそう」という新刊を発売されました。「世界のおもてなし」にまつわるところは新たに取材して加筆され、より濃い内容になっているとのことです。世界中がコロナの影響で人との接触が大幅に制限されています。こんな時だから、見ず知らずの人との交流の醍醐味を、ぜひ書籍をお手に取られて味わってみてはいかがでしょうか。
書籍情報:『もてなしとごちそう』
大和書房(2020年9月26日発売)
著者:中村 安希
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