ユニアデックスには、未来に役立つ技術やビジネスの動向を研究し、新サービスなどに結び付ける活動をしている「未来サービス研究所」という組織があります。研究所のWebでは、2020年3月から「テレワークあるある」というユニークなコラムの発信を始めました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレワークについて同僚などと会話する間もなく突然「毎日がテレワーク」となった方も少なくありません。本コラムでは、「家庭」「会議方法」「運動不足」など、IT周りとはちょっと異なる視点の疑問やお悩みを「あるある」として取り上げています。
ユニアデックスでは2017年から「在宅でのテレワーク」を開始していますが、社内でも「うん、あるある!」と共感を呼んでいます。そこで、NexTalk編集部は、担当者にお話を伺いに行きました。
最初に未来サービス研究所での仕事内容は?
実は私は、2019年6月にユニアデックスに入社しました。ですので、まだ1年経っていません。前職はIT系ではなかったため、IT音痴でもあります(笑)。そんな私の研究テーマは「ワーク・ライフ+デジタル」。子育てや介護など、身近な生活環境のなかでデジタル技術がどう適用され、どのような社会変化の兆しがみられるのかを調査・研究しています。
すっかり会社に馴染んでいますね^^。 なぜ、テレワークのポイントをまとめようとしたのですか?面白いです
当社は2017年からテレワークの運用を開始しておりますが、私自身は、東京オリンピックに備えた昨年夏のテレワークDaysで初めて本格的に体験しました。その時からテレワークについてさまざまな戸惑いや発見がありましたが、同僚とは会社でのランチや飲み会の時に軽く話題にする程度で、あまり情報共有がされていなかった。いつかきちんと調査してみたいなと思ったことがきっかけです。それと、一人で仕事をする在宅のテレワークは、コミュニケーションが希薄になる傾向があります。「テレワークあるある」をWeb公開することでテレワークの疑問や悩みを共有し、空間が離れていても共感を通じたコミュニケーションを図れるのではと思いました。
ところで、掲載されている内容はどなたの意見ですか?
未来サービス研究所では取り組みたい研究テーマについて、研究員がアイデアをざっくばらんに話し合います。昨年から興味があった井戸端会議的な「テレワークあるある」をアイデアの一つとして挙げてみたところ、「面白い!」となり、始めたわけです。あるある話は、自分や研究所のメンバーの意見だけではなく、私のママ友たち(笑)からも情報収集しました。加えて、社内SNSからも意見を募りました。私は中途入社ですので、この取り組みを通じて社内の方と交流できたことは、とても嬉しかったです。
3月2日から公開を始めましたが、内容については事前に投稿頂いたご本人に確認頂くなど気を使っています。先日、家庭を取り上げた内容に興味を持たれた読売新聞・大手小町さんから取材依頼があり、記事にして頂きました。あまりのタイミングの良さに驚きましたが、それだけ快適なテレワークにするために皆さん試行錯誤されていることを改めて認識できました。
今後の研究にどう生かせそうですか?
テレワークには生産性向上やワークライフバランスといった「働き方改革」に加え、今回のような感染症や自然災害などに備えた「BCP対策」という側面があります。新型コロナウイルス感染防止という非常事態のなかで、現在のテレワークならではの特徴があるのではと調査を通じて感じるようになりましたね。ひとつは、従来はIT業界や一部の企業が主導する先進的な働き方のイメージが強かったテレワークが、いわゆる「普通のサラリーマン」も実施する働き方になりつつあること。
もうひとつは、「点」から「線」「面」へのテレワークの拡大です。テレワークの実施実績がある企業などでも、これまでは週に数回などの制限があることが多く、「点」として運用される傾向がありました。しかし今回の非常事態を受け、毎日で数週間連続という「線」のテレワーク、さらに全社員が実施という「面」のテレワークが増加してきています。
もともと日本は、郊外に家庭を持つサラリーマンが都心へ通勤して仕事をする・・・というような、私的空間(生活)と公的空間(仕事)がある程度分離された働き方が一つのスタイルとして定着していました。しかし、「線」や「面」のテレワークでは、自宅という私的空間を長期にわたり公的空間としても使用することになります。ですので、「テレワークあるある」では、長時間のデスクワークにそぐわない椅子を使って腰痛になった、リビングの使い方や昼食時間を巡って家族といさかいが起こった…などの事例を取り上げています。
「点」のテレワークならばやり過ごせたかもしれない悩みや戸惑いが、「線」「面」と拡大することで、同居する家族をも巻き込み顕在化しているのかもしれません。テレワークは米国など海外の普及率が高くなっていますが、日本の住宅環境や生活スタイル、労働慣行に即した日本型テレワークの構築が求められていると思います。
もちろん、テレワークには通勤時間がないなど色々なメリットがあります。「自宅だとなかなか仕事に集中できない」という声もありますが、考えようによっては、自分なりの集中法を見つけ出し、仕事のメリハリをつけるトレーニングにもなります。新型コロナウイルスが一日でも早く収束することを願いつつ、テレワークに関する知見は継続して調査研究を進めたいですね。
最後にメッセージを!
当社は、テレワークに関するプロダクトやサービスを多数扱っております。これらを導入するときに、技術面だけではなく運用面の支援もできるようなご提案ができれば、継続的にお客さまの悩みを解決できるパートナーとしてリカーリングビジネスに貢献できます。
そうなるには、テレワークに関するナレッジやノウハウを蓄積し、分析していくことがベースになります。未来サービス研究所は、これからも調査・研究を通じて、ビジネス活動を支援していきたいと思っています!