【住友精密工業様と共同実施】IoT実証実験現場の撮影を終えて
－ IoTと機械学習による故障予兆・検知への取り組み －（2017年10月18日号）

動画撮影日の2017年9月12日は、西日本へ大型台風が近づいていました。やや不安を感じながらも、撮影隊6名で向かったのは、兵庫県・尼崎市に所在されてる住友精密工業様の本社と工場。無事に到着し、早速撮影準備に取り掛かります。

住友精密工業様は、航空宇宙機器、油圧機器、熱交換器、その他の産業機器を手掛ける、大手機械メーカーです。主力製品は、今回、IoTの研究対象にした「ギアポンプ」。このポンプが故障してしまうと、使用している設備のポンプが停止してしまうため、お客さまに多大な迷惑がかかってしまう。故障予兆が絶対に必要と考えていたが、IoTで何ができるのを模索されていたそうです。

住友精密工業様とユニアデックスの出会いは、2016年10月に開催した産業IoTを体験しながら学べるセミナー（FACTORY Annex 産業IoT実践セミナー）でした。当社のIoT関連担当者の講演を、竹内様（油機事業室技術グループマネージャー）が聴講され、セミナー後のアンケートに「故障予兆で何かできることはないか」と記入されたことがはじまりです。

動画では、油機事業室次長の吉田様、油機事業室技術グループ長の中西様と竹内様にインタビューをさせていただき、真剣なまなざしで作業を進める工員の方々にもエキストラとして登場いただきました。お三方のインタビューはリハーサルなしで本番にのぞみましたが、撮影はとてもスムーズに進むことができました。研究施設内では、ポンプを始めとする製品に対してさまざまな試験が行われていました。工員の方々は、指差し確認でポンプの動きを注視され、緊張感ある作業模様でした。

今回の実証実験の目的は、回転機械である高圧クーラントポンプを利用して、一番特徴の出やすい「振動データ」と「温度と流量の変化のデータ」を組み合わせ、3カ月間連続稼働させながら、ポンプが故障に至る過程で新たな分析結果を導き出すことです。

具体的には、高圧クーラントポンプにセンサーを取り付け、振動などのデータをモバイル回線経由で収集し、クラウド上でユニアデックスの「稼働監視・設備診断サービス」を用いて、設備の異常度を分析し、表示します。NTTドコモの閉域網を採用しているため、重要なセンサーデータをクラウドに上げることもセキュアで安心なのです。

実は、このサービスに組み込まれている機械学習エンジンは、設備診断の複雑な分析結果を簡単な数値にして表示できるので、設備診断の専門知識がなくても一定の診断できるところもポイントです。

撮影の最後に今後ユニアデックスに期待することをお伺いすると、
センシングすることでポンプが故障に至る前に、お客さまに伝えることができれば、お客さまの生産性活動が継続できると考える。ユニアデックスと一緒に故障の要因を分析し解明していきたい（竹内様）。クーラントポンプは古典的な製品であるため、新たな付加価値の創造はとても難しいが、IoT技術が付加されれば製品力アップにつながると考える。今回の研究成果を大いに期待している。（吉田様）。
と力強く語られました。実証実験の成果に期待が高まります。

ユニアデックスは、回転機械に留まらず、さまざまな産業設備・機械に対する稼働監視・設備診断のIoT/機械学習化に向けて研究開発を進めています。

IoTについてお困りのこと、ご興味があることがありましたら、ユニアデックスにぜひお声掛けください！