2018年11月6日、ニューヨーク・マンハッタンにおいて、一夜限りのイベント「IKKON BAR」が開催されました。会場はニューヨークで人気の和食レストラン「SAKAMAI」。「SAKAMAI」の特別メニューをいただきながら、福島で約350年の歴史をもつ大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)のぐいのみセット「IKKON」で、福島の日本酒を楽しむというぜいたくなイベントです。NexTalk編集部のミキティが、突撃取材させていただきました。

画像: ニューヨークの和食レストラン「SAKAMAI」で開かれたイベント「IKKON BAR」

ニューヨークの和食レストラン「SAKAMAI」で開かれたイベント「IKKON BAR」

大堀相馬焼は、福島県浪江町に約350年の歴史を刻む、国指定の伝統的工芸品です。今回、イベントのためにニューヨークを訪問したのは、大堀相馬焼の窯元「松永窯」4代目、松永武士さん。2011年3月11日の東日本大震災で壊滅した窯元を復活させた人でもあります。松永さんが、日本から携えてきたのが、こちら。松永さんが代表を務めるガッチ株式会社が、2018年1月に販売を開始した3種類のぐいのみセット「IKKON」です。

画像: 「IKKON DOUBLE WALL SAKE CUP」

「IKKON DOUBLE WALL SAKE CUP」

木箱もぐいのみも、無駄のないシンプルなデザインが美しい。2018年度グッドデザイン賞および、アジア市場の優れたパッケージデザインに贈られる賞「Topawards Asia(トップアワードアジア)」を受賞したというのも納得です。

えっと。一見、すべて同じに見えます。が、よく見ると、内側の形状が異なります。なんと、お酒の特徴に合わせて味わいや香りを引き出すための形状になっているそうです。「ラウンド(まろやかに味わう)」「ナロー(変化を味わう)」「ストレート(しっかり味わう)」の3タイプです。そういえば、ワインは、赤白それぞれに合わせたグラスがありますもんね!
断面図はこちら。

画像: 「IKKON DOUBLE WALL SAKE CUP」の断面図。写真右から「ラウンド(まろやかに味わう)」「ナロー(変化を味わう)」「ストレート(しっかり味わう)」

「IKKON DOUBLE WALL SAKE CUP」の断面図。写真右から「ラウンド(まろやかに味わう)」「ナロー(変化を味わう)」「ストレート(しっかり味わう)」

大堀相馬焼の特徴「二重構造」が生かされていることがよくわかります。3種類の違いも明らか!
表面の刻印は、中の形状を反映しているのですね!

この「IKKON」を使って日本酒を楽しむイベント「IKKON BAR」は、都内および香港でも開催されてきました。海外開催の2回目となるのが、今回のニューヨークです。

この日の来場者は、33名で満席。モダンな雰囲気のレストラン「SAKAMAI」は、「I ♡ 日本酒(日本酒が大好き♡)」というニューヨーク在住日本人とアメリカ人の熱気で満たされていました。

まずは、この日のために、日本から運ばれた福島県・鈴木酒造の純米酒「一生幸福」を、3種のぐいのみで飲み比べることころからスタート。

実は私、「器でお酒の味が変わるって本当?」と半信半疑でしたが、お客さまからは「全然違う!」「私はこの器で飲むのが好きだわ」など、次々と感想が出てきて、びっくり!!

続いて、大七酒造の本醸造「生酛」。こちらは、うまみをまろやかに味わうことができる「ラウンド」で。大吟醸は塩味がきいた料理と相性がよいということで、お料理はキャビア、ウニ、鶏卵を重ねた「Egg on Egg on Egg」料理のネーミングもユニーク!

画像: 「Egg on Egg on Egg」

「Egg on Egg on Egg」

最後は、宮崎和牛のカツサンド。お酒は、福島の人気酒造の純米大吟醸「NINKI―ICHI」。松永さんは「ストレート」で飲むことをお勧めされていましたが、この辺りから、みなさんほろ酔い気分になってきて、自由な雰囲気に。ペアリングのお勧めは、あくまでも参考まで。正解はないので、自分流にアレンジするのも楽しいですよね。

この日、松永さんは新作の酒燗器も持参。初めて熱燗を飲んだというアメリカ人の方は、「熱燗にすると口当たりが全然違う!」と驚いていらっしゃいました。

画像: 松永さん自らぐいのみに熱燗をついで来場者をおもてなし

松永さん自らぐいのみに熱燗をついで来場者をおもてなし

現在、IKKONは公式WEBショップおよび、日本のMoMA Design Storeが主な販売場所となっており、米国内未発売。ニューヨークのMoMAでも買えるようになれば、アメリカの日本酒ファンに喜んでもらえそうですね!

「イベントを通して、器を使ったお客さま」の反応をダイレクトにいただけるのはうれしいし、勉強になります」と松永さん。「世界各地で『IKKON BAR』を開催して、酒文化を深掘りしたい。味覚体験を1つのエンターテインメントにして、世界中の人に楽しんでいただきたい」と意欲的です。

参加者は、「楽しかった!」「おいしかった!」と上機嫌で、おみやげの「IKKON」の木箱を携えて帰宅されました。

一夜限りのニューヨーク「IKKON BAR」は、大人のための、とてもぜいたくな遊びの場でした。

>> 大堀相馬焼「松永窯」4代目である松永氏のインタビュー記事はこちら

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