あれ? この掃除機って使うにつれて目詰まりするけど、まあ吸うことは吸うし、いいか。
充電器って、いちいちケーブルにつなげないといけないけど、まあ、このひと手間は仕方がないよねー。

日常の使用でうすうす感じていながら妥協していることってありますよね。その「うすうす」感じている疑問を独自の発想で解決してみせる家電製品が、世の中に登場することがあります。前者の例だと、ダイソンの掃除機がそれですね。

後者の最近の例だと、ビーサイズ株式会社が開発したワイヤレス充電器「REST」があげられます。これは国産の杉間伐材で作られた縦横120ミリ、厚さ14ミリの一見単なる板です。しかし、木の風合いは家具の上にあっても特別な主張をしないため部屋の美観を損ないません。また、寝る直前まで見ていたスマホを枕元の板にスッと置くだけで、翌朝には充電が完了している、というひと手間がかからない使い方ができます。

画像: ワイヤレス充電器「REST」。「クレードルがここにあります」というような主張をすることもなく、部屋に溶け込む

ワイヤレス充電器「REST」。「クレードルがここにあります」というような主張をすることもなく、部屋に溶け込む

ビーサイズさんは、このほかにも、無駄をそぎ落とした末にほぼパイプだけの筐体になったシンプルなLEDデスクライト「STROKE」、5センチ角のシンプルなブロックをランドセルに入れておくだけで、子どもの現在位置をスマホで確認できるほか、行動をAIが学習し異常があればプッシュで親に通知する見守りツール「GPS BoT」なども製品化しています。

開発者は、いつしか「ひとり家電メーカー」と称されるようになったビーサイズの八木啓太社長。
NexTalk編集部は、八木社長とその発想の源泉に興味を抱き、先日お話を伺ってきました。

画像: いかにも自然体の八木社長

いかにも自然体の八木社長

八木社長が製品作りで貫いているのが“シンプルなデザイン”。「逆説的ですが、なるべく本質的なモノをつくることで(余計な)モノを減らしたい」(八木社長)という信念をお持ちです。例えば「STROKE」の場合、照明って極論すると光さえあればいいよね という考えで押し進めたところ、結局パイプだけの筐体になりました。2015年のグッドデザイン賞も受賞しています。

画像: ほぼパイプだけになったLEDデスクライト「STROKE」の撮影風景。極限まで無駄を排したデザインは周りに溶け込みすぎて、ピンで撮影するときは一苦労。赤枠のところにSTROKEがある

ほぼパイプだけになったLEDデスクライト「STROKE」の撮影風景。極限まで無駄を排したデザインは周りに溶け込みすぎて、ピンで撮影するときは一苦労。赤枠のところにSTROKEがある

既存の大手メーカーに何か反骨心のようなものを抱いているのかというと、全くそうではなくて、「自分がイメージする誰かの利便性のために作る」という基本を押えつつ、誰もがうすうす感じている不便さを解決する方向にひたすらまい進しているだけなのだそうです。全くもって自然体の方でした。

八木さんは自身の考えを推し進めるうちに、モノづくりだけでなくコトづくりにまで足を踏み入れているように思います。見守りツール「GPS BoT」などは顕著な例です。これはIoT時代にも順応していく動きだと思います。そういう八木さんのようなデザインコンセプトって、大手メーカーに真似されませんか?とお尋ねしたときの、回答が興味深いです。こちらは1月の記事本編をお待ちください。

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