夏の初めのある日、NexTalk編集部に一通のメールが届きました。
AIでニュースの産業革命に挑む報道ベンチャー・株式会社JX通信社の広報のご担当からでした。
「ITと新たな分野を掛け合わせた取り組みを紹介しているNexTalk様に、是非とも『IT×報道』に挑戦している弊社の取り組みを知っていただきたい」
なんと、それはNexTalk始まって以来の、「取材先に来い」オファーでした。
うれしい!! なんだかいっぱしのメディアとみなされたみたいで。これは何としてもリクエストに応えたい。
とはいえテーマに合うかどうか? 一旦下調べをさせていただくと・・・あるわあるわ、有名メディアで米重克洋社長が答えたインタビュー記事が。。。週刊ダイヤモンドの編集長インタビュー、プレジデントオンラインでの田原総一朗さんとの対談、Bloombergの取材記事、日本ジャーナリスト協会の記事、インターネットメディア協会のインタビュー・・・。それに米重社長は、Yahooニュースのオーサーとして記事も執筆されている。
社長も、JX通信社のAIを利用した取り組みも注目度MAXではないですか。これは大っっ変失礼いたしました。今まで存じ上げなかったことを恥じるばかりです。ここは取材というよりも、新しい報道の世界を勉強させていただきに参上しようと、早速アポをとったのでした。
それにしても、これだけメジャーな媒体から取材を受けているのに、なぜ企業のオウンドメディアにすぎないNexTalkにお声を? きっとこの広報担当者は貪欲なんだろうな。同じ広報担当として見習わねば、などと考えながら飯田橋の本社をご訪問すると、応対いただいたのは小柄で笑顔満面の女性。そうかこの人か、やり手の広報ウーマンは(NexTalkに目をつけたのだから、‶やり手‴に認定!)。 今日は見識不足を補いにやってまいりました!
オフィスに入って驚くのがその静けさ。筆者も広報マンなので、編集部と呼ばれるところにはよく顔を出していたものですが、大抵は電話取材の記者の緊張感ある声と執筆中の押し黙った感じが半々混じった独特の喧騒がありました(昔は)。しかしJX通信社の編集部は、いたって普通のおしゃれなオフィスで、聞こえるのは空調の音ばかり。コトリとも音がしません。
しかし、このオフィスのネットワークには、AIが人々のSNSを巡回して拾ってきた緊急情報や事件・事故・災害の発生情報が毎日数万件行き交っているとのこと。。
米重社長はなぜこのようなビジネスを始めたのか?
それは報道産業が抱える問題を解決したいためだとおっしゃいます。「ジャーナリズムの中核を担う新聞社は、取材などのコストと収益バランスが合わず、縮小傾向にあります」(米重社長)
このとき 人間が人間にしかできないことに集中して、AIなどのテクノロジーにできることはテクノロジーに任せることでコストを下げ、適正な収益も上げる付加価値の高いコンテンツを制作」する土台をつくり、報道産業の効率向上 に一役買っていきたいのだそうです。
米重社長は、小さいころから新聞が好きで、小学校の頃にはすでに各紙で違うファクト、共通するファクトを洗い出していたそうです。中学生のときには、好きな航空機業界のニュースサイトを立ち上げて7年間続けたり、どうも生粋の報道オタク(失礼)といえそうです。報道愛が高じて今ではこの産業そのものの危機を救おうとしているのです。
米重社長のインタビュー内容は、11月12日号の本編をお待ちください。