WirelessWire Newsで連載中のインタビュー企画「ヒトとモノを巡る冒険」第5回目です。今回は世界初のロボットホテルとして注目を集める『変なホテル』をオープンされたハウステンボス株式会社 代表取締役社長 澤田秀雄さんにお話を伺いに、はるばる長崎・佐世保にあるハウステンボスに行ってきました。この日は台風が近づいていて雨が強まりつつある天気でした。ハウステンボスには長崎空港からバスで向かいましたが、近づくにつれて霧にむせぶ山の中に欧州風の街がふいに出現するのが印象的でした(ちなみにハウステンボスに初訪問です)。
今回はインタビューの前に、『変なホテル』の内部をハウステンボス株式会社 執行役員の高田さんに案内していただきました。WirelessWire News の編集者とカメラマンと僕の3人で、恐竜や女性のロボットが担当するホテルのフロントや、産業ロボットを応用したバゲッジクロークの使い方の説明を受けたのですが、いずれも端で見ていると楽しいし、使ってみると面白い。テーマパークに隣接しているリゾートホテルにはぴったりの仕組みです。こういう仕組みは、子どもがいると思い出作りにも良いでしょうし、大人でも旅が終わってからの話題作りになります。
澤田さんへのインタビューでは、まず『変なホテル』という名前の由来を伺いました。「変な」というのは「変わった」という響きだけでなく、「変化し、進化するホテル」という意味がこめられています。「変化し続ける」、つまりお客様が宿泊されている実際の環境で、収益を追求しながらも継続的に実験・実証を進めて、ホテルのサービスを進化させるという意思をホテルの名前に込めているのはなにか独特さを感じます。そして、その変化にトップがコミットして進化させ続けるというのも戦略的です。『変なホテル』という名前のインパクトでそういったすごさが薄まっている感がありますが、お話をうかがうにつれて、もっと注目されて良いと感じました。
なお、インタビューにあたって澤田さんの著書をいくつか読んでみました。H.I.S. を大きくしていく過程はビジネスマンとして参考になる話が多いのですが、元来の旅行好きが高じてドイツ・マインツでの留学時の経験を元にして H.I.S. を立ち上げたという経緯が印象に残りました。たまたまですが僕もマインツを訪れたことがありますし(ピザとビールがおいしかった)、同じ旅行好き(H.I.S.には若い頃お世話になっていました)だという点が影響しているのでしょう。そこから、旅好きな澤田さんが『変なホテル』をどう見ているか、旅行の際に泊まってみたいかを今回のインタビューで訊いてみることにしました。社長である澤田さんにこれらの質問は、よく考えれば失礼ですが、真摯に答えていただけました。詳しくはインタビュー本文を読んでいただければと思います。
インタビューの後、『変なホテル』に1泊しました。晩ご飯を食べに編集者と一緒にハウステンボス内のビアホールに行った時のことです。雨が強くなったので遊んでいる観光客も少なくなり、ビアホールのお客さんもちらほら数えるほどでしたが、突然、ビンゴゲームをはじめるというアナウンスがありました。1枚100円でビンゴシートを買って、ビンゴになればビールやつまみがもらえるという仕組みです。客が少ないのが逆に幸いしたのか、ほとんどの客がビンゴシートを購入しています。そしてビンゴが始まると、進行役の女性の盛り上げ方が半端なくうまいのです。艶やかな通りの良い声でビンゴの番号を読み上げたり、歌を歌ったり。ビアホールの外はかなりの雨なのですが、気がついたらお客さん全員がビンゴの進行に釘付けになっていました。こういうのはロボットには難しいだろうねと編集者と話しながら、追加のビールを飲みました。
それでは、第5回目の冒険をご覧下さい。
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ヒトとモノを巡る冒険#5前編はこちら>>> https://wirelesswire.jp/2016/11/57648/
ヒトとモノを巡る冒険#5後編はこちら>>> https://wirelesswire.jp/2016/11/57667/