ユニアデックスの片澤です。今年もよろしくお願いいたします。

年末から年始、現在に至るまで、オミクロン株の影響が拡大しています。日本も連日、感染者数が右肩上がりを見せており、皆さまの健康を願うばかりです。

米国のCOVID-19最新情報

米国の状況は、12月頭に初の感染者がサンフランシスコで見つかってから、年始がピークを迎えました。日によっては、100万人を超える感染者が記録されました。

ホリデーシーズン(クリスマス休暇からNew year dayまで)が終了し、出勤や登校前にCOVID-19のテスト(検査)要請が会社や学校からありましたので、一斉に検査を実施したため、急速に感染者数が膨れ上がったと思われます。

画像1: 米国最大のテックイベント「CES 2022」レポート:キーワードはサステナビリティー【シリコンバレー便りVol.23】(2022年1月25日号)

この煽りを受けまして、飲食店や小売店などは、従業員が感染し、お店を開けなくなったり、営業時間を短縮したりするなどの影響が出ています。

まだまだ、収束の気配がなく、高水準で感染者が出ているため、、対人のイベントはオンラインへの変更や時期の延期を決定しています。

バイデン政権は、COVID-19のセルフテストキットを無償で配布する対応で、拡大を防ごうとしています。こういったテストキットの無償化に関しては、決定が早く、申し込みサイトもすぐに立ち上がるスピードには、いつも感心させられます。

画像: 私も早速申し込んでみました。各家庭で1回ずつの申し込み、1回で4回分のテストキットが1月下旬から配られるそうです。

私も早速申し込んでみました。各家庭で1回ずつの申し込み、1回で4回分のテストキットが1月下旬から配られるそうです。

米国最大のテックイベントCES 2022

2022年1回目の内容は、2022年1月5日 – 2022年1月7日に開催された米国最大のテックイベント「CES 2022」に関してお届けします。

CES 2022もオミクロン株の影響が直撃しました。12月初旬に米国で最初のオミクロン株の感染者が確認されてから、2週間ほどで爆発的に広がりはじめ、12月21日にT-mobileが参加キャンセル。
これを皮切りにGM、Lenovo、Intel、Google、Meta、Amazonと大手企業のキャンセルが続きました。会期も1日終了が早くなり、1月7日までとなりました。

実際、会場内は、空きブースも目立ち、規模は例年の半分から2/3といった印象、 2020年の開催は、約17万の参加者で、出展社数も4,400社を上回っていましたが、約4万人の参加者で出展社数は2,300社と2年前の通常開催と比べて大幅減といった状態でした。

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Automotiveの動向

CESの直近、2~3年のメイン領域は、Automotiveです。今年もこの流れは継続しており、EV、自動運転にフォーカスしている企業が数多くありました。その中からいくつかピックアップします。

GMの取り組み

昨年のCESにてモジュラー型のバッテリーでEVプラットフォームを発表したが、今回、モジュラープラットフォームを採用したピックアップトラック CHEVROLET SILVERADOを発表。ピックアップトラックは、米国でも最も人気がある車種であり、EVへの期待が高いです。このクラスを$39,900~と今までのEVより購入しやすい価格で提供することで、GMの本気が伺えます。2025年までにEVを30車種市場に投入することを明言しています。

また、同じく商用車のEV投入も昨年発表していたが、そちらも実際の形になって発表がされました。Fedexへの提供は、昨年にアナウンスがされていたが、今回そこにWalmartも加わった形です。自動運転に関しても2016年に買収したCruise社が率先し、2022年には完全自動運転でのタクシーサービスもサンフランシスコで計画されています。(実展示はなし。)

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VinFastとZFの取り組み

今回初出展となったベトナムを本拠点とするVinFastは、キャンセルが多く出たWest Hallで大きな存在感を放っていたのが印象的でした。昨年のモーターショーで米国進出を発表していましたが、CESでは、車種を増やして出展。EV電池のサブスクモデルや所有者のNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)化など新しい試みでも話題になっています。

また、このVinFastに車の駆動や制御部分をプラットフォームと提供しているZFも実展示はありませんでしたが、カンファレンスでパートナー戦略を発表していました。

同社は、車の開発データからさまざまな車載データなどをクラウドでデータ収集、ここにトラフィックデータなど環境データも接続することによって、自動運転の基盤にしているとのことで、車=IoTのThingsであると認識させられます。ちなみに、クラウド部分は、Microsoftとの連携と発表されていました。

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大手半導体ベンダー動向

半導体メーカー4社、AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommは、毎年CESでスピーチを実施していますが、半導体を利用している業界が今後のマーケットの潮流にも現れるので、ここは外せないポイントです。

今回の共通点の1つは、ゲーミング/e-sports。もう1つは、Automotiveでした。

オンラインゲーム、e-sportsがますます活況になり、CPUは高速処理、高画質映像が必要になるため、各社性能競争は激しさを増しております。そして各社ともオンラインゲーム企業と共同での製品開発も実施しているとのことで、e-sportsの動作環境からエッジコンピューティング、通信などのインフラまで性能拡張は進んで行きそうです。

そして、Automotiveは、自動運転向けにアップデート情報が挙げられていました。それぞれ自動車メーカー、サプライヤーと連携しながら自動運転 Class 3以降を開発して提供しています。

・Intelは、MobileyeでのEyeQ ULTRAを発表。自動運転用のシステムオンチップ
・NVIDIAは、DRIVEHyperion 8を発表。センサーなどを含む自動運転のプラットフォーム
・Qualcommは、ADAS、自動運転、LTE通信などを統合したDigitalchassisプラットフォーム

エレクトロニクス、家電、技術アップデート

CESは、コンシューマーエレクトロニクスショーですので、エレクトロニクスについても紹介します。

Samsungの取り組み

Samsungは、毎年大きなブースで家電からAutomotiveまでを展示してますが、今回のアップデート情報としては、サステナビリティーに関する取り組みです。ブースの一角を利用して気候変動への取り組みを紹介していました。

一見地味ですが、TVリモコンの電池利用を廃止し、ソーラー充電とワイヤレス充電に切り替えていくこと、製品パッケージをリサイクルしやすい梱包材に変えていくこと、海洋プラスチック問題の解決に向けてアパレルメーカーのPatagoniaと提携、といった活動をしっかりとアピールしていました。

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SONYの取り組み

日本でも話題になっていたのが、SONYのEV 『Vision S01』と『Vision S02』だと思います。私はあえて、それ以外のSONYの発表に注目しました。

1つ目は、ドローン『Airpeak』。昨年のCESでも発表していましたが、実機が出てきました。撮影用ドローンで、国産ドローンとしての成功を期待したいです。

2つ目は、STAR SPHERE。宇宙飛行士しか体験できない映像を一般に開放し、宇宙を近くに感じさせるサービスを提供するとのことで、個人的にワクワクしてしまいました。2021年は比較的宇宙を身近に感じるニュースがありましたが、今後がかなり楽しみです。

そして、最後にPlaystation VR2の発表です。こちらもMetaやMicrosoftをはじめ海外勢が強いVRヘッドセットデバイス業界においての奮闘を期待したいところです。この3つともにコンシューマー、エンターテイメント用途が主目的ではあると思いますが、エンタープライズ、ビジネス領域での利用の広がりに期待が膨らみます。

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エンタープライズ向けの技術アップデート

1つ目が前述でSONYのPlaystation VR2を紹介しましたが、これ以外にも多くのARデバイスがInnovation Award受賞や展示がされていました。VRよりも日常利用として、期待が持てるのはAR Glassです。

通常の視界を邪魔せず、疲れず利用ができるのか?電池の持続は大丈夫か?入力インターフェースは簡単であるのか?など、スマートフォンの置きかえになれるかはデバイスの性能に依存します。

そういった中で、AR Glassの進化が感じられる展示が増えるのは喜ばしいことです。Glass以外にも、将来的にはコンタクトレンズや人体に埋め込むことなどの検討はされていますが、まずはGlassの登場が待ち遠しいです。

画像7: 米国最大のテックイベント「CES 2022」レポート:キーワードはサステナビリティー【シリコンバレー便りVol.23】(2022年1月25日号)

そして、2つ目は、MatterとWi-Fi6Eです。Matterは聞きなれないかもしれませんが、スマートホーム向けの新しい通信規格です。スマートホーム向けにはさまざまな通信規格が存在し、プロダクトも存在します。

異なる製造メーカーのプロダクトはお互いに通信することができませんでしたが、これをMatter規格で接続することで通信可能とします。すでにApple、Google、Amazonなど大手企業を中心に200社以上が参加しており、2022年標準化を目指しています。Amazon Alexa経由でGoogle Homeデバイスの制御が可能になるのもすぐそこです。来年のCESでは、Matter Supportと書かれたブースがいくつもありそうです。

Wi-Fi6Eは、現行の2.4GHz、5GHzに加えて新たに6GHzを利用ができるWi-Fiになります。日本では、まだ検討段階ですが、米国や欧州では利用が承認されており、すでに製品が完成しています。今回、対応アクセスポイントが展示されていました。Wi-Fiは、現行よりも低遅延、高密度対応を予定しているWi-FI7の規格も検討されています。この波に乗り遅れないよう日本でも早期対応を期待したいです。

画像8: 米国最大のテックイベント「CES 2022」レポート:キーワードはサステナビリティー【シリコンバレー便りVol.23】(2022年1月25日号)

ヘルスケア分野の動向

Automotiveと合わせて、最近のメインテーマとしてヘルスケアがあります。冒頭でご説明したCOVID-19のセルフテストキットも含め、病院やクリニックに行かずとも、家庭や個人で検査を実施できるプロダクトが多くなり、検査結果を医療現場と共有するというモデルが確立し始めています。

COVID-19のテストキットを販売しているAbbottは、Lingoサービスを発表。糖尿病向けのグルコースモニタリング技術を、アスリート/一般人向けに提供し、ケトン、グルコース、ラクテート、アルコール状態を見える化することが可能です。

A New Category of Consumer Biowearables: Meet Lingo

画像: A New Category of Consumer Biowearables: Meet Lingo youtu.be

A New Category of Consumer Biowearables: Meet Lingo

youtu.be
画像: スタートアップ含め、さまざまなホームヘルスケアデバイスが提供され始めている。

スタートアップ含め、さまざまなホームヘルスケアデバイスが提供され始めている。

CESで気になるその他の分野

今回のCESでは、新しくSpace TechとFood Techが加わりましたが、Space Techでは、宇宙ビジネスを展開しているSierra Space。Food techでは、キノコの菌糸体を利用し、代替食品を提供しているMycoTechnologyなどがありましたが、出展キャンセルなどもあり、来年こそは展示が見たいです。

また、会場で一番目立っていたのは、韓国でした。Samsung、Hyundaiなどの大手企業に加え、Lotteが初出展でK-POPアイドルのVRコンサートを展示。SKグループは、グループのサスティナブルの取り組みを紹介。スタートアップが出展するエリアには、国や市、大学などが誘致したスタートアップが数多く出展していました。

参加者もすれ違う人はかなり韓国の方が多い印象でした。LGは出展をキャンセルしましたが、それ以外は特に自粛していなかったので、さながら韓国展の様相で、国として市場はグローバル。そのマーケティングの方向性がはっきりしていることが印象的でした。

画像9: 米国最大のテックイベント「CES 2022」レポート:キーワードはサステナビリティー【シリコンバレー便りVol.23】(2022年1月25日号)

最後に、過去3回リアルで参加しましたが、今回のメッセージで一番強く感じたのは、サステナビリティーでした。マーケティングが巧みな韓国企業をはじめ、GMなどもカーボンニュートラルをしっかりとアピール。

日本からもパナソニックをはじめ、三井不動産レジデンシャルもサステナビリティーに特化した講演や展示を実施していました。グローバル企業としてSDGs/ESGにつながるイメージ、プロダクト、その背景などを準備、アピールすることが企業価値創出となると位置付けられたイベントだったと感じました。

大規模イベントのため、規模が縮小になっても書ききれない部分もありましたが、皆さまのご参考になれば幸いです。

今回も最後までお読みいただき有難うございました。2022年もよろしくお願いいたします。

ラスベガスの新たな交通手段『VEGAS LOOP』をご紹介
Teslaの創業者、イーロン・マスク氏が2017年に設立したその名も『THE BORING COMPANY』という企業が、地下にトンネルを掘削、その中を専用の自動車やパレットだけが移動できるようにし、都市交通の渋滞緩和、交通事故の防止や到着時間短縮を目的に事業展開を開始しています。

今回、CESの間にサービスを利用することができましたので、その動画をご覧ください。
現状は、まだ3つの停留所しか完成していませんが、今後3年で53つの停留所ができるそうです。今後のラスベガスが楽しみになります。

画像: VEGAS LOOPを体験してみました!_シリコンバレー便り第23回 www.youtube.com

VEGAS LOOPを体験してみました!_シリコンバレー便り第23回

www.youtube.com
画像: ユニアデックス 片澤 友浩 ユニアデックスでは、約20年以上前から米国・シリコンバレーに駐在員を配置し、現地の最新ICTトレンドや技術動向、新たなビジネスモデルの探索を実施しております。 日本ユニシスグループの米国拠点であるNUL SystemServices Corporation(以下、NSSC) に所属し、今までは当社営業やマーケティングを通してお客さまに届けていた情報を、定期的にNexTalkでも配信していきます。

ユニアデックス 片澤 友浩
ユニアデックスでは、約20年以上前から米国・シリコンバレーに駐在員を配置し、現地の最新ICTトレンドや技術動向、新たなビジネスモデルの探索を実施しております。日本ユニシスグループの米国拠点であるNUL SystemServices Corporation(以下、NSSC)に所属し、今までは当社営業やマーケティングを通してお客さまに届けていた情報を、定期的にNexTalkでも配信していきます。

【Vol.22】2021年の米国テクノロジー企業状況その2:スタートアップの投資動向(2021年12月23日号)

【Vol.21】2021年の米国テクノロジー企業状況その1:IPO(新規株式公開)、M&A動向(2021年12月14日号)

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