例年、ユニアデックスも協賛し参加している『NIPPON IT チャリティ駅伝』。この大会は、IT業界で心の病などで働けなくなった若者を1人でも多く社会に復帰させることを目的としています。「あなたの走りが一人の若者を救います」というスローガンのもと開催されるこの駅伝大会は、多くのIT企業に広がり年々参加者が増えています。

2019年11月10日に開催される大会が、記念すべき第10回を迎えるということで「これだけの規模の大会を10年も続けるって大変だよね」「きっといろんなエピソードがあるよね」「ぜひ話をきいてみたいね」「でも忙しいだろうしきっと難しいよね」とアレコレ悩んだあげく、いちばん迷惑な大会直前に思いきって取材を申し込んだところ、快くお受けいただいた上に豊洲までお越しいただけるとのこと。どうもありがとうございます!

ご紹介が遅れましたが、今回インタビューさせていただいたのは、大会実行委員長のチャック・ウイルソンさんと副委員長の本村 誠基さんです。どちらも強面(すみません)でドキドキしていましたが、お二人とも気さくで楽しく、終始 笑いの絶えない取材となりました。

画像: 左:大会実行委員長のチャック・ウイルソンさん 右:大会実行副委員長の本村 誠基さん(株式会社アイエスエフネット 取締役)

左:大会実行委員長のチャック・ウイルソンさん  
右:大会実行副委員長の本村 誠基さん(株式会社アイエスエフネット 取締役)

きっかけは、週1回のパーソナルトレーニング

ーまずはお二人の出会いのきっかけを教えてください

本村 12年ほど前に当社の社長の依頼で、私含め役員全員の健康アドバイザーとしてチャックさんに週1回のパーソナルトレーニングをしていただたことが始まりでした。

チャック 比較的厳しくトレーニングをしたので、仕事が忙しいということもあって、数カ月後には本村さんしか残っていなかったんだよね(笑)他の人も頑張ったけどね。

本村 その後、当社が全国に障がい者の支援施設を持っていたということもあり、仕事や人間関係などによって、うつ・ひきこもりの状況になってしまったワーキングプアの方々を支援するためのNPOをチャックさんにも理事になっていただき立ち上げたんです。 

本村さんが取締役を務める「株式会社アイエスエフネット」は、IT業界内で世界一ボランティアの多い会社を目指す!と宣言しています。通称「愛ぼら」(愛のあるボランティア活動の略)と呼ばれる社員有志のボランティアチームは、NIPPON IT チャリティ駅伝でもボランティアを務めています。

ーそこからどうしてチャリティー駅伝をはじめようとされたのですか?

チャック 支援をするためにお金はもちろん必要。だけどそれだけでは、恵まれていない人の状態はなかなか世の中に伝わらないんですよね。この問題を認知してもらって支援の輪を広げる手段として駅伝大会の開催を勧めました。

画像: チャックさんは、1987年に『YMCAインターナショナル・チャリティーラン』を企画し、25年間 大会委員長として全国20か所で開催されるまで大会の発展に尽力しました。この大会は現在でも規模を拡大して続いています。 この経験とノウハウが『NIPPON IT チャリティ駅伝』にも生かされています。

チャックさんは、1987年に『YMCAインターナショナル・チャリティーラン』を企画し、25年間 大会委員長として全国20か所で開催されるまで大会の発展に尽力しました。この大会は現在でも規模を拡大して続いています。
この経験とノウハウが『NIPPON IT チャリティ駅伝』にも生かされています。

その時の本村さんの言葉は今でもよく覚えていますよ。「駅伝大会ってなぁに?どうやってやるの?」(笑)

第1回は川崎市鹿嶋田の河川敷で開催

ー開催するまでご苦労はありましたか?

本村 チャリティー駅伝を開催しようと決めてから、まずはボランティアとして賛同していただく仲間を集めました。私の知り合いの中で、駅伝に興味のある方、スポーツ関係の方、イベントに強い方に声をかけ、数人で実行委員会を発足しました。場所はどこにしようか、ランナーは集まるのかなど、ゼロからのスタート。設備などもすべて手作りで人海戦術でしたね。そこは今でもあまり変わりませんが(笑)

チャック こういう大会は単にチャリティーを目的に走るだけでは、なかなかうまくいきません。参加する人や企業のメリットはどこにあるのか、応援する人をどう楽しませるか、を考えながらやっていたらどんどん広がっていってしまったんです(笑)

本村 我々は駅伝運営のノウハウもありませんでしたので、チャックさんがマニュアルあるよと渡してくれたんです。全部英語の(笑)

チャック ちゃんと訳してあげたでしょ(笑)

画像: 第一回は川崎市鹿嶋田の河川敷で開催。有り難いことに最初から100チームくらいが集まったので、NPOメンバーにも総出で手伝ってもらいました。おかげさまで、参加費をうつ・ひきこもりの方の再生を支援する機関に寄付をすることができました。その後、回を重ねるうちに何人も就職ができて、駅伝大会でそのメンバーが就職の報告をした時は、参加者が温かい拍手と声援を贈ってくれて大変盛り上がったのを覚えてますね。

第一回は川崎市鹿嶋田の河川敷で開催。有り難いことに最初から100チームくらいが集まったので、NPOメンバーにも総出で手伝ってもらいました。おかげさまで、参加費をうつ・ひきこもりの方の再生を支援する機関に寄付をすることができました。その後、回を重ねるうちに何人も就職ができて、駅伝大会でそのメンバーが就職の報告をした時は、参加者が温かい拍手と声援を贈ってくれて大変盛り上がったのを覚えてますね。

ーそもそもなんですが、どうして駅伝だったんですか?

チャック ひとりでは自信のない人もチームでだったら参加できる。チャリティーですから、自分のために走るんじゃないんです。走れない人のために、苦しんでいる人のために走るんです。そしてチームのため、チームは会社のため、会社は世の中のため、とその輪はどんどん広がっていきます。 

画像: 自分は本当は恥ずかしがりやで内向的、外でワイワイ騒ぐのは好きじゃない、うちにいて読書をしたり音楽を聴いたり、コンピューターをいじったりするのが好きな「オタク」だという。でも、自分は足をついて歩けるし家に帰れば奥さんも子供もいて食事もとれる。それが恵まれているということに気づいた。テレビに出ているチャックに会いに来てくれる人がいるなら、恥ずかしくても自分がやればいいと思った、というチャックさん。

自分は本当は恥ずかしがりやで内向的、外でワイワイ騒ぐのは好きじゃない、うちにいて読書をしたり音楽を聴いたり、コンピューターをいじったりするのが好きな「オタク」だという。でも、自分は足をついて歩けるし家に帰れば奥さんも子供もいて食事もとれる。それが恵まれているということに気づいた。テレビに出ているチャックに会いに来てくれる人がいるなら、恥ずかしくても自分がやればいいと思った、というチャックさん。

ー心に残るエピソードなどありますか?

本村 障がい者の方のチームも走るのですが、全ランナーの中で最後のランナーになってしまうこともあります。ただ、走り終わったランナーの皆さんが車いすの横について、周りを囲んで応援しながら皆で一緒にゴールしたのは感動しました。あとはチャック体操かな(笑)

チャック 開会式でチャック体操をやるんだけど、最初のころは張り切りすぎて走る前に皆がぐったり疲れちゃったんだよね(笑)最近はかなり抑え気味にショートバージョンでやっています。

画像: 噂のチャック体操。オリジナルバージョンはなんと60分!インストラクター養成講座もあるそうです。

噂のチャック体操。オリジナルバージョンはなんと60分!インストラクター養成講座もあるそうです。

参加ランナー3,240名、スポンサーは約100社、ボランティアは380名

ー最近は参加希望者も増えているそうですね?

本村 はい。ランニングブームということもあって、この大会は実はとても人気があるんです。関東以外では私が知っているだけでも、名古屋、京都、韓国などからも参加いただいています。今ではお台場も狭くなってしまい、非常に残念ですが参加をお断りしている状況です。

チャック 同じIT業界の中にいても普段なかなか会うことがない競争相手の会社の人とも出会える、いい機会でもあるしね。

本村 そうそう。それにクロスファンクションでチームを作ったりすると、同じ会社でも普段いがみあっている(笑)部署同士が一緒に練習する中で仲良くなったりしてね。
社内で表彰式をやったりする会社もあって、運動会の代わりにもなっているようです。

ースポンサーもボランティアも増えていますよね。

本村 この大会が継続できているのもIT業界が総出で支援してくださっているおかげなんです。大会のカタログ印刷から、サイト運営のためのレンタルサーバー、飲み物も、参加賞も、ほぼすべてがスポンサーの寄付です。最近は規模が大きくなって、運営をアウトソーシングしていますが、それ以外で関わる人は皆ボランティアです。そのため、収益金は来年の運営費を除いてほぼ全て寄付することができるという、かなり社会貢献度が高い大会なんですよ。IT業界だけにとどまらず、災害にあった地域への復興支援も行っています。

画像: 左:各所で活躍するボランティアの皆さん        右:参加賞もすべてスポンサー企業の寄付

左:各所で活躍するボランティアの皆さん        右:参加賞もすべてスポンサー企業の寄付

ずっと続けていきたい

ー最後に今後の目標を教えていただけますか?

本村 この大会をできる限りずっと続けていきたいですね。少しずつ若いメンバーを入れていって体制の若返りを図り、社会貢献やチームワークの大切さを学ぶ場として活用していってほしいと思います。楽しみながら社会貢献できるこの駅伝をまずはIT業界から、そしてさらに他業界にも普及していったらうれしいです。

チャック この大会は人のためになることだからやめることはありません。自分がいなくなっても新しい考え方や人を入れて継続してやっていってほしい。もともと1,000チームは最初から目標にしていたのですが、1万人が集まれるような場所はなかなかありません。全国で予選をやるとか、アイデアはたくさんあります。課題も多いけど大変だからこそおもしろいと思っています。

ーチャックさん、本村さん ありがとうございました!

ユニアデックスも10チームが出場しました

今まで雨が降ったことがないというこの駅伝大会、今回も見事な秋晴れとなりました。ユニアデックスから参加した10チームも最後までタスキをつなぎ、気持ちの良い汗を流しました。

画像: お揃いのTシャツの背中には、3匹のヌーのイラストと「最後まで走り続ける『アキラメヌー』」の文字。はい、ダジャレです。

お揃いのTシャツの背中には、3匹のヌーのイラストと「最後まで走り続ける『アキラメヌー』」の文字。はい、ダジャレです。

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