「プロのカメラマンに子どもの運動会を撮影してもらいたい」「パーソナルトレーナーの力を借りて本格的にダイエットしたい」「ネーティブの方からマンツーマンで英会話を習いたい」など、日常生活の中でプロの力を借りたくなるシーンはたくさんあります。そんな多様なニーズを持つ依頼者と、その道のプロをつなぐサービスとして注目されているのが「Zehitomo(ゼヒトモ)」です。単なるビジネスマッチングではなく、「生活者のニーズとプロのスキルをつなぐことで、暮らしや働き方をより快適にしたい」というZehitomo CEO兼共同設立者のジョーダン・フィッシャーさんに、サービスが生まれた背景や目指す未来について伺いました。

画像: プロフィール 株式会社Zehitomo 共同設立者/CEO ジョーダン・フィッシャー 1986年、米国ニューヨーク生まれ。子どもの頃から日本のアニメ、漫画、ゲームに興味を持つ。南カリフォルニア大学でコンピューターサイエンスを専攻し、2008年に卒業。卒業後は総合金融サービスのJPモルガンに入社、東京・丸の内オフィスに勤務。債券テクノロジー部でプログラミングやプロジェクトマネジメントを担当、数年でチームをまとめるまでになる。2014年にはヴァイスプレジデントに昇進し、電子取引セールストレーダーとなる。2015年に共同ファウンダーのジェームズ・マッカーティー氏と意気投合し、Zehitomoを立ち上げる。

プロフィール
株式会社Zehitomo 共同設立者/CEO
ジョーダン・フィッシャー

1986年、米国ニューヨーク生まれ。子どもの頃から日本のアニメ、漫画、ゲームに興味を持つ。南カリフォルニア大学でコンピューターサイエンスを専攻し、2008年に卒業。卒業後は総合金融サービスのJPモルガンに入社、東京・丸の内オフィスに勤務。債券テクノロジー部でプログラミングやプロジェクトマネジメントを担当、数年でチームをまとめるまでになる。2014年にはヴァイスプレジデントに昇進し、電子取引セールストレーダーとなる。2015年に共同ファウンダーのジェームズ・マッカーティー氏と意気投合し、Zehitomoを立ち上げる。

不透明な日本のローカルサービス市場を“透明”にしたい

— 急成長しているZehitomoですが、サービスが生まれたきっかけを教えてください。

日本に住んで11年、日々「生活しやすく食べ物もおいしい国だな」と感じています。ですが、例えば習い事や日常生活のハウスキーピングなどで「プロの手を借りたい」とき、自分のニーズに合うプロがどこにいるのかが分かりにくい。適正なサービスの価格も分かりません。こう考えるようになったきっかけは、数年前に子どもが生まれたときの体験です。

線路が近いマンションだったので、子どもが夜ぐっすり眠れるように、窓に防音ガラスを入れたいと思い、紹介された業者に見積書の依頼をしました。しかし、見積書が送られてきたのは1カ月後。しかも、400万円もの高額な価格を提示されて正直困惑しました。

これが本当に自分のニーズに合った適正なサービスと価格なのかを比較する方法はありません。納得できず、プロの方に片っ端から電話をかけて問い合わせました。すると、社員数人の小さな施工会社が「できますよ」と言ってくれたんです。最初に衝撃を受けた見積書と同じ施工方法と建材を使い、工事費込みで40万円でした。おまけにベビーモニターもつけてくれたのです。

いい方だったし、私もうれしかった。同時に「専門業者の人も、思わぬルートから集客ができて喜んでいる」と感じました。お互いのニーズがあるのに出会えないのは、もったいないことですよね。

— 確かに!

この経験から、ニーズを持つ人とプロがリアルに出会ってサービスを受ける、いわゆる「ローカルサービス」に関して、日本の市場は非効率で不透明な部分が多いと感じました。そこで、この市場を見える化したいと考えたのです。そうすれば、消費者のニーズに合ったプロから、適正な価格で優れたサービスを誰でも簡単に受けられるようになる、と思ったからです。

画像1: — 確かに!

仲介手数料ではなく、プロから「応募料」を取る理由

— Zehitomoの社名も、とてもユニークですね。由来を教えてください。

Zehitomoという言葉は、私にとって日本のサービスを象徴する表現です。日本語では、何かお願いするときに「ぜひともお願いします!」と言います。私たちも、「ぜひともお願いします」と言いたくなるプロと依頼者の架け橋となるサービスを提供したい。人と人とのつながりを、「ぜひともお願いします」という言葉でつなげていくイメージですね。

— なるほど! サービス内容についてもお聞きしたいのですが、Zehitomoでは仲介手数料を取るのではなく、プロが応募料を支払って「提案する」形ですね。これはなぜでしょうか?

一般的なローカルサービスでは、「細かくいろいろな要件をカスタマイズしたいニーズ」のある依頼者に対して、プロ側が「その要件に合わせてカスタマイズした提案」をし、条件が折り合えば成約するプロセスをとります。

しかし、多くのローカルサービスは、他のサービスや商品と異なり、いまだにオフラインで行われ、比較のための情報や選択肢も少なく、簡単に選ぶことができない状況です。最大の課題は、ニーズを持つ依頼者と最適なプロが上手くつながらないことです。私たちが現在提供しているのは、このつながりの部分です。この中で、プロが自分のお金を払って依頼者に提案を行うことは、当然それなりの品質や対価を提供することにつながりますし、一定の品質を保つフィルターにもなります。

— 依頼者からの報酬によって手数料を上乗せする形ではないのですね。

はい、違います。仲介手数料を取ると、交渉や報酬支払いにまで私たちが間に入らなくてはなりません。それはせず、個人のニーズとプロをつなぐ「出会いの機会」を提供しています。

ただし、プロが最適な提案や見積もりを行うためには、事前のヒアリングが大切です。そこでZehitomoでは、サイト内で最初に依頼者に対し、「どんな目的で、どんな条件があるのか」について10項目前後の質問をします。それほど難しい内容はありません。この質問は、プロにヒアリングして見積書を作る際に最低限必要となる情報を入力してもらうために設計したものです。この回答内容に応じてプロが提案を行います。

当初は電話でプロを探索、今はAIでよりニーズに沿った提案を実現

— ローカルサービスのニーズは多かれ少なかれ誰でも持っていると思いますが、実際にサービスを立ち上げるのは難しかったと思います。

今も日々新しい課題を乗り越えていく、「毎日が新しい日」という感覚で事業を続けています。サービスをリリースした2017年7月頃は、英会話やハウスキーピングなどカテゴリーを絞って、東京都内だけでスタートしました。登録してくれるプロも、最初は自分の人的ネットワークを駆使して、頼み込んで登録してもらっていました。依頼が来ると、Zehitomoの営業担当者がその依頼を受けてくれる業者を電話で探し、つないだこともあります(笑)。1年くらいたって需要が増え始め、全国に展開できる手応えを感じました。

画像2: — 確かに!

— そこから一気にシステムも大きくなるわけですね。

はい。特に2018年からSEOに力を入れたため、依頼が急増しました。現在では、カテゴリーも増え、例えばフォトグラファーやヘアアレンジなどのイベント系から、ヨガレッスンやパーソナルトレーニングなどのウェルネス系、着付けなどのライフスタイル系、そして、地域限定になりますが、雪かき代行もあります。

こうして供給側の提案不足が顕著になったため、2018年末にプラットフォームを大きく改善しました。それがAIを活用した応募自動化機能「スピードマッチ機能」です。

— どのような機能なのですか?

従来はプロが自分で依頼を確認して、手動で応募・提案をするプロセスでしたが、スピードマッチ機能では、さまざまな依頼をAIが自動で最適なプロを選定し、自動で応募します。そのためプロには、登録時に仕事の種類や時間、場所、見積額などをあらかじめ登録してもらいます。例えばパーソナルトレーナーなら、依頼者の自宅と近いプロがお互いにとって都合がいい。これに対してリフォームの場合は、距離よりも価格やサービスの内容が重視されるので、口コミ情報なども活用して要件に合うプロを選定し、応募を自動化します。

— 私自身、取材前に、実際に「英語指導・英会話レッスン」でサービスを体験しましたが、1~2分の間にプロの方からご提案をいただき、とても驚きました!

AIスピードマッチ機能導入前までは、依頼があっても提案がないといったケースもありました。導入後は平均3〜4件の応募が依頼者の元に届くようになったのです。これは比較検討するにも最適な件数です。そしてプロの側も、業務に追われて応募ができない状態から脱却できます。この機能では、応募にかかる費用も「1カ月1万円まで」と上限を決めておけば、その分だけ自動で応募してくれます。費用面の無理がなく、仕事の機会を逸失することもなくなるので、リリース以来、皆さまから大変喜ばれています。

画像: 打ち合わせスタイルもユニークです

打ち合わせスタイルもユニークです

ローカルサービス市場20兆円、市場が変われば社会も変わる!

— スピードマッチ機能のおかげで、ますますニーズを持つ依頼者とプロとが効率的につながるわけですね。

そうですね。将来的には、AIスピーカーに向かって「Zehitomo、畳を張り替えたいんだけど」と声をかけるだけで、最適なプロがすぐ駆けつけてくるようなサービスを目指しています。サービスのEC化ですね。その理由は、高齢者をはじめ「声をかけたら、パッとサービスを受けられる」社会になれば、さらに暮らしやすく、良い社会になると思うからです。

— これからの成長が楽しみですね。最後にZehitomoのサービスをさらに発展させるうえで、フィッシャーさんが感じていらっしゃるやりがいやモチベーションを教えてください。

私はもともとエンジニアなので、これまでもさまざまなビジネスの課題解決に挑戦してきました。私自身の性格として、「何か困りごとがあれば何とか解決できないか」といつも考えてしまいます。そして、私は、家族と共に生きるこの日本が大好きです。先ほどの私自身の体験談でもお話ししましたが、ローカルサービスを通じて、生活の中で感じた不便を最適な形で解決することができれば、日本はもっと良くなると思います。

日本のローカルサービス市場は20兆円前後あり、これは外食産業と同程度の規模なのですが、未開拓の分野です。オンラインでの成約率は2.5%ほどしかありません。オンライン化が進むことで、フリーランスや中小企業などのプロの仕事をさらに盛り上げることができます。

さらに国内の労働力人口が減っている中で、プロの知見を持つ方々の経済活動をやりやすくし、集客するプラットフォームを提供すれば、生産性向上につながるはずです。多様な働き方の実現にも貢献でき、私たち生活者も暮らしやすくなる。そうした未来に向けて、ニーズを持つ人と高い専門性を持つプロとのつながりを、もっともっと効率的にし、社会を変えていきたいと考えています。

画像: Zehitomoのオフィスには、 なんと卓球台があります! フィッシャーさんは学生時代から卓球をたしなみ、腕前もなかなか。社員との交流とリフレッシュを兼ね、さらに腕を磨いているそうです

Zehitomoのオフィスには、なんと卓球台があります!フィッシャーさんは学生時代から卓球をたしなみ、腕前もなかなか。社員との交流とリフレッシュを兼ね、さらに腕を磨いているそうです

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