ユニアデックスには、資本参加している東南アジアと中国に7つの海外関係会社があります。今回はネットマークス(インドネシア)のタオフィック社長が、来日されましたのでお話を伺うことができました。フレンドリーなタオフィック社長、日本語がお上手すぎです!

ー ネットマークス(インドネシア)をご紹介ください

1998年9月に設立し、2018年に20周年を迎えました。事業内容は、ネットワークインテグレーション中心ですが、サイバーセキュリティーにも注力しはじめています。現在、日本語ができる社員4名と日本人2名含めて総勢75名です。本社はジャカルタにあり、チカランとスラバヤ、バリ島に事業所があります。インドネシアは東西に5,000kmと広大なうえ言語や文化の違いがありますので、日系企業がビジネスを進めていくには、なかなか大変だと思います。

画像: とてもお茶目なタオフィック社長。趣味は、読書と妄想とビギナーゴルファー。

とてもお茶目なタオフィック社長。趣味は、読書と妄想とビギナーゴルファー。

ー 20周年を迎えた今年に社長になられました。どのような会社にされたいですか?意気込みなど、おしえてください

実は、20年前に岩手大学 大学院工科研究科(修士課程)を卒業しました。その後、インドネシアで国家公務員として1年間働いたのですが肌に合わなくて早々に退職。ご縁があり、住友電工の方との出会い、ネットマークス(インドネシア)の立ち上げに関わりました。最初はプログラマー、営業もやり、まさか社長になるとは思ってもいませんでした(笑)。

信頼できるICTカンパニーとして、名前があがるようになりたいですね。当社のお客さまは70%が日系企業です。1998年当時、インドネシアにはIT系会社は5社ほどしかいませんでしたが、最近はコンペティターが増えています。日系企業の他にローカル企業やガバメントに入り込みたいですが、提案メニューを変えないと新規獲得は厳しいと痛感しています。

そこで、「サイバーセキュリティー関連」を強化していくことを決めました。AI、ロボット、IoTしかり、セキュリティー無しでは何もできません。世界でサイバー対策に強い国は6カ国あります。アメリカ、ロシア、中国、コリア(韓国+北朝鮮)、イラン、イスラエルです。なぜ、日本の名前がないか?日本は、イスラエルの技術を使っているので、サイバー対策に強い国といえます。

当社も日本と同じにイスラエルの技術を活用したかったのですが、宗教の違いを考慮してコリアをパートナーに選び、サイバーセキュリティーに強い会社に成長していきます。

画像: ー 20周年を迎えた今年に社長になられました。どのような会社にされたいですか?意気込みなど、おしえてください

ー ここまでのお話でも日本語がご堪能で驚いています。なぜ、日本の岩手大学を選ばれたのですか?

高校を卒業したら、海外へ行きたいと思っていました。当時の大統領が留学の奨学金制度をつくってくれて、本当はフランスに行ってロケットの勉強をしたかったのですが、フランスの大学の留学先はありませんでした。担当者の方から日本を薦められたこともあり、日本に行くことにしました。最初の1年間東京で、日本語を死に物狂いで猛勉強しました。部屋中に日本語を貼りまくり、数学、物理、化学も勉強しました。

岩手には7年間いたのですが、田舎が大好きなことと、人々が優しくて友達ができやすかったから、とても楽しかったです。岩手弁は全然話せませんが(笑)。イスラム教徒なので、豚は食べられませんが、岩手は野菜も魚もお刺身も美味しく、食にはまったく苦労しませんでした。ただ、納豆が食べられるまで、2年かかりましたが...。

日本語はとても美しいと思います。インドネシア語は、過去/現在/未来が同じ文法なので、いつのことを話しているのか常に確認しなければなりません。

ー インドネシアについておしえてください

あまり知られていませんが、ジャカルタは赤道を越えないと行けません。南半球にあるからです。人口は、2億6千万人(2017年)で世界第4位です。人口ピラミッドはキレイで30年先にも若者が活躍できる仕事はあると思います。その一方、企業の悩みでもあります。

とにかく国中、クルマが多く富裕層は2台持ちが当たりまえ。下取りが良いから70%が日本のトヨタ車とダイハツ車です。クルマはステータスであり、レバラン(断食明け大祭)には、皆クルマで帰省するので猛烈なラッシュになります。現在、地下鉄やモノレールを建設中ですので、渋滞緩和に期待したいですね。

画像: レバラン(Lebaran: 断食明け大祭)とは1ヶ月間の断食の後にある祭りのことです。ほとんどの皆さんは田舎に戻り(帰省ラッシュ)、家族や親戚、友達、近所の皆さんの家に訪問し合い「1年の過ちをお互いに許し合う」という習慣があります。断食と言っても朝日が昇った後から日が沈む前の間のみです。これを29日間連続繰り返します。

レバラン(Lebaran: 断食明け大祭)とは1ヶ月間の断食の後にある祭りのことです。ほとんどの皆さんは田舎に戻り(帰省ラッシュ)、家族や親戚、友達、近所の皆さんの家に訪問し合い「1年の過ちをお互いに許し合う」という習慣があります。断食と言っても朝日が昇った後から日が沈む前の間のみです。これを29日間連続繰り返します。

画像: Lebaran Food。レバランにしか出ない食べ物で、主にチキンカリー、ビーフとKetupat (クトゥパット) です。Ketupatはヤシの葉で包みにお米を入れて蒸した、ちまきのように固まったご飯です。

Lebaran Food。レバランにしか出ない食べ物で、主にチキンカリー、ビーフとKetupat (クトゥパット) です。Ketupatはヤシの葉で包みにお米を入れて蒸した、ちまきのように固まったご飯です。

ー ITのトレンドは? IoTにも関心が高まっていますか?

相変わらず「ライドシェア」が活況ですね。とくにGO-JEKは、国内の利用者は3,000万人。5km100円~200円程度で利用でき、バイクなのでスイスイ走りますし、買い物、マッサージ、掃除などの付加価値サービスがとても人気なのです。

IoTについては正直、まだ効果がわからないのでお客さまへどう提案すればよいか悩みます。今は少し待ちましょうという結論をだしましたが、準備は進めていきます。ヒューマンリソースの教育やセンサー、周波数のテスト・認定など、やれることはやっておきます。

画像: ー ITのトレンドは? IoTにも関心が高まっていますか?

ー ところで、セキュリティー事情は?

残念ながら、社会人の意識はまだまだ低いですね。インドネシアには、個人情報保護の統一法令はありません。しかし、ECの利用者数は最大規模であるため、「電子システム通信情報規則」など個別法案の中で個人情報管理が定められています。日系企業は、社員含めてセキュリティーの意識レベルが低いことに危機感を持っているため、当社ではお客さまに「セキュリティーに関するオンライン研修」を提供しています。

ー 今後の展望をおきかせください

2つあります。ひとつは、5年後にビッグデータ、AI、マシンラーニングなど、トレンドに沿ったソリューションの提供を目指します。特に、チャットロボットのヘルプデスクは、予約などに活用できるから、病院、ホテル、レストランでのニーズが高まると思います。

二つ目は先ほどから話していますが、サイバーセキュリティー関連のソリューション提供を強化していきたいです。そのためには、ビッグブラザーカンパニーであるユニアデックスや日本ユニシスともより一層手を組むことを望んでいます。

画像: ー 今後の展望をおきかせください

ー 最後にメッセージを

日本とインドネシアが交流を開始して60周年になり、とても良い関係を築いています。インドネシアに日本人は2万人もいて、日系企業は約1,500社あります。観光地としてバリ島が人気で有名ですが、他にも良い島が多くありますので、ぜひ、いらしてください。でも私は、バリ島しか行ったことがありませんが(爆笑)

冗談が飛び交うとても楽しい取材でした。ありがとうございます!タオフィック社長の日本語レベルは、素晴らしいです。もちろん漢字もお得意とのこと。今後のご活躍がますます楽しみです。

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