ユニアデックスには、資本参加している東南アジアと中国に7つの海外関係会社があります。ネットマークス(フィリピン)のフィリップ社長とレイモンド副社長が、来日されましたのでお話を伺うことができました。お二方とも日本語が堪能で、感服しました!

ー ネットマークス(フィリピン)についてご紹介ください

フィリップ社長 ネットマークス(フィリピン)は、2001年11月に設立しています。スタッフは65名。もともと、住友電工代理店として、フィリピンでの市場開拓のために前身が存在していました。当時フィリピンでの日系企業のビジネスが高まる機運があり、当社が設立されたのです。その後、日本ユニシスグループの一員となりました。日本ユニシスグループの技術力は高く、数多くのソリューションを持ち、SIerとしてのレベルが非常に優秀であると感じました。それらのテクノロジーを第3国に持ってくるのは容易ではありませんが、少しずつでも日本のソリューションがフィリピンの市場に参入してくることを大いに期待しています。

レイモンド副社長 事業内容は、サポートサービスがメインで、「Net911」という独自サービスを提供しています。「Net911」は、PCに関わる運用サービス全般を提供していて、オンサイトと常駐の両方対応しています。残念なことは、911は米国の緊急電話ですが日本は119だということが後で分かりました(笑)。

画像: フィリップ・サンヴィクトレス社長(お父様です)

フィリップ・サンヴィクトレス社長(お父様です)

- なぜ独自サービスを提供したのですか?

レイモンド副社長 2003年~2008年当時、我々が期待するほど日系企業の進出が多くなかったのです。そこで生き残るために、独自サービスを提供することにしました。現在のアクティブユーザーは、200社ほど。その半分が「Net911」のユーザーです。業種は、製造業、物流業、BPO、コールセンター、デザインセンターが主なお客さまです。日系企業が6割で外資系が2割、現地企業2割という比率です。設立当時から、業界大手の物流業、証券会社、製造業のお客さまがいらっしゃることが有り難いです。

画像: レイモンド・サンヴィクトレス副社長(ご子息です)

レイモンド・サンヴィクトレス副社長(ご子息です)

- フィリピンのIT事情は?

フィリップ社長 ここ数年でLANなどネットワークインフラが安定してきたので、ソフトウエア開発に投資していく日系企業が今後は増えていくと思います。ただ、インターネット接続はまだまだ遅く、回線はファイバーでなくDSLが主流のため、速度は、4MGbps~8MGbps程度。
プロバイダーもシンガポール系のGlobe InternetとNTT系のPLDTの2社のみです。実は、10年前に政府主導のファイバーバックボーン計画がありましたが、コストがかかりすぎることから政府が断念してしまいました。最近では、中国系の第3のプレイヤーが登場しています。

また、フィリピンは東南アジアで2番目に人口が多い国なんです。約1億300万人いて、近いうちにはGDPが一人当たり3,000ドル超えます。

画像: 街中にある電線。整備が期待されます。

街中にある電線。整備が期待されます。

このように人口が多い国だから消費は大きくなり、銀行、家電、携帯電話(スマホ)、外食、クルマなど産業において、10~20年後の生産活動に自信があります。これらの産業において海外の投資家からも、面白いパートナーシップになるのではと将来性に期待されているようです。

不思議なことに、現状は貧乏な国なのに、国民は携帯電話(スマホ)を持っています。それは、国民の平均年齢が24歳という若さだからです。人口成長率も年約2~3%です。日本の人口は減っていく傾向のようですが、フィリピンはその逆ですね。

最近のトピックスは2017年9月、日本政府とフィリピン政府は、主要インフラプロジェクトの承認に合意し、今後フィリピンのメトロ工事、洪水やかんがい対策、道路建設などで交流していくことになりました。当社もここにビジネスチャンスがあるのでは?と、とても期待しています。

そのためには、当社のスタッフの技術力をグレードアップする必要があります。クラウド関連はもちろん、IoTなどについても学ばせたい。人材に投資することは、当社の将来のために必要不可欠だからです。

先ほどの日比インフラプロジェクトのことですが、皆さんもよくご存知のわが国のデゥテルテ大統領のキーワードは、「build!build!build!」です(笑)。日本の中小企業が、フィリピンの社会インフラ整備に大きく影響しています。このように、日本とフィリピンのパートナーシップは黄金期であり、フィリピンが社会的にも経済的にも成長していくのに欠かせないことなのです。

ー IT以外の事情は?

フィリップ社長 フィリピンの人口は多く、平均年齢が24歳という話をしましたが、
経済成長率は、6.5%になりました。貿易黒字だから国内でお金が回っています。デジタルネイティブが中心の国なので、クラウドソーシングやマレーシアのGrabに代表されるライドシェア系ビジネスが注目されています。

レイモンド副社長 面白いことろでは「代行屋ビジネス」が盛んで、人気店に代りに並んだりと、代行します。

フィリップ社長 良くない事情としては、フィリピンの交通渋滞は世界一と思っています。JICAの情報によると、その経済ロスは毎日30億ペソ(1ペソ:2円/日本円で約60億円)と言われています。信じられない金額です。
自宅から会社までの距離は13Kmなんですが、なんと、クルマで1時間以上かかります。事故や工事、洪水が発生すると、3時間くらいかかってしまいます。もっとひどいのは、メトロ。乗るまでに1時間ほど並び、乗ったら10分~20分で到着です。これでは、誰も乗りたがりません。

この交通渋滞はマニラだけでなく、工場団地であるセブも同様で社会問題になっています。社会インフラの整備は急務であり、ここにも日系企業の仕事が多くあると思っています。

- 2017年11月3日、日本政府から平成29年秋の外国人叙勲旭日小綬章を叙勲されたとのこと。おめでとうございます。日本語教育に貢献されたことが評価されたそうですね。

フィリップ社長 ありがとうございます。フィリピンの公用語は、タガログ語と英語ですが、その他、80ほどの言語があります。その上、方言もあるので地域が違うと全く会話が成り立ちません(笑)。

フィリピン人は英語は話せますが、日本語は話せません。日系企業の進出により日本語教育が非常に重要になってきたと考えれました。当初は、コミュニケーション基盤としての日本語教育はチャレンジでしたが、人材交流を重ねて規模を大きくしてきました。

それに日系企業では上司が日本人ですから、部下のフィリピン人は日本語でコミュニケーションをとりたいと思っています。また、IT系だけでなく、看護士、福祉士は日本で資格の勉強をするために、日本語を取得する必要があります。また、ホテル業、建設業などでは専門用語についても勉強しなければなりません。ただ、圧倒的に日本語の先生が不足していることが、現実であり課題なのです。

画像: フィリップ社長が授与された日本政府から授与された旭日小綬章。初めて拝見しました!

フィリップ社長が授与された日本政府から授与された旭日小綬章。初めて拝見しました!

- 最後にメッセージをお願いします

フィリップ社長 TVやニュースでフィリピンのことを知るのでなく、ぜひ、フィリピンにいらして、生のフィリピンをご自身で感じてほしいです。こころからお待ちしております。

画像1: - 最後にメッセージをお願いします

レイモンド副社長 治安も危険な場所に近寄らなければ安全です。我々、ITの運用監視も終日行っていますし、24時間営業のお店も増えています。また、バスケットボールのプロリーグは世界的にも有名で、日本の子どもが野球やサッカーに夢中になるように、フィリピンの子どもはバスケットボールに夢中になります。フィリピンでお会いしましょう。

画像2: - 最後にメッセージをお願いします


フィリップ社長、レイモンド副社長、フィリピンについてとても勉強になりました。ありがとうございました。フィリピンに行ったときは、グリーンマンゴーシェイクやハロハロ(日本のみつ豆を参考にしたフルーツいっぱいのせて食べる)を楽しみにしています♪

★フィリピンご紹介

画像: ルネター国立公園

ルネター国立公園

画像: カレッサと呼ばれる馬車

カレッサと呼ばれる馬車

画像: ハロハロ

ハロハロ

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