ユニアデックスの本社がある東京・豊洲界隈のランチスポットをご紹介する新コーナー「トヨメシ」。記念すべき第1回にご登場いただくのは、この地に店を構えて20年の焼肉店「深川 壱番亭」。日本ユニシスグループの社員にもなじみが深いお店です。
お話をうかがったのは、市村食肉販売株式会社社長の奥様で専務の市村順子さん。人気のランチメニューに加え、豊洲の街の変遷や未来に対する思いなどについてもうかがいました。

街の再開発を機に焼肉店をオープン

東京メトロ有楽町線の豊洲駅、4番・5番出口から徒歩1分。大通りから一本入った裏通りで20年間、営業を続けているのが「深川 壱番亭」。「市村食肉販売株式会社」が経営する焼肉店です。

画像: 毎日大勢のお客さまでにぎわう焼肉店を切り盛りする、笑顔が素敵なおかみさん。

毎日大勢のお客さまでにぎわう焼肉店を切り盛りする、笑顔が素敵なおかみさん。

聞けば、市村家は昭和25年から豊洲の地で精肉店を営んできた老舗。焼肉店を開く前は、豊洲に工場を構える会社の社員食堂にお肉を卸したり、小売販売をしていたそう。当時は職住接近型が主流で、工場や港湾で働く人の家族の生活にも根づいた精肉店として営業が成り立っていたといいます。しかし、1990年代に入ると工場は減少。豊洲再開発へ。

「大型スーパーが出展してくる計画を知り、商売を続けていけるか不安になりまして。この場所の賃貸を募集してみたところ、ピザ屋や焼肉屋の引き合いが多かったんです。焼肉屋なら自分たちでできるんじゃないか、ということでスタートしました」

それから豊洲が高層ビルの建ち並ぶ街に様変わりしたのは周知のこと。ビルの室外機から出る熱気で夏はより暑く、空は狭く感じられるようになったといいます。

「でも、若い人も増えたし、夜の街も明るくなりました。昔は夜8時を過ぎれば真っ暗で、治安もあんまり……。門前仲町あたりからタクシーに乗ると、豊洲運河を渡ってこちらへ来るのを運転手さんが嫌がったっていうくらい。いまからは考えられないでしょ(苦笑)」

昭和から平成へ街が激変していく中、こだわりの素材と心のこもったサービスで営業を続け、今年で20年。偶然にもユニアデックスと同じ年月、同じ街で歩んでこられたというわけです。

肉の旨みと愛情がつまったボリュームランチ

壱番亭のランチは、焼肉店ならではの肉料理の美味しさが魅力。そして、早くて、安くて、ボリューム満点。

「押し付けがましいかもしれませんが、午後もお仕事がんばってください、という気持ちでボリュームたっぷりにしています」

ランチの一番人気はビーフカレー(550円)。少し辛めのルウに、焼肉用の肉の切り落としと大きめに切った野菜をたっぷり。いわゆる、“家のカレー”のようなほっとする味です。ほかに人気なのは日替わりサービスランチ。カルビクッパやソースカツ丼などのメニューが日替わりで680円。取材にうかがった日は金曜日でラーメンとミニカレーのセットでした。
また、選べる定食も人気。中でも、豚の生姜焼きに、ヒレカツ・メンチカツ・唐揚げなどの中から1品を組み合わせられるセットが人気で、千切りキャベツとご飯、みそ汁、小鉢がついて750円。さらに、豚丼やビビン麺などの丼ものもおすすめだそう。

画像: スタッフが取材後に注文したランチ。左がラーメンとミニカレーのセット。

スタッフが取材後に注文したランチ。左がラーメンとミニカレーのセット。

画像: 肉の旨みと愛情がつまったボリュームランチ

ランチでも夜の焼肉でも、こだわっているのは美味しさと安さだと、おかみさんは自信を持って話してくれます。

「ランクや等級だけにこだわるのではなく、美味しいお肉を安くご提供することがモットー。だからこそ、社長の目利きが物を言う。肉屋としての真骨頂だと思っています」

画像: 店内には、大正・昭和を思わせるポスターやイラストがたくさん。「電気ブラン」や「ホイス」といったお酒も楽しめて、レトロな雰囲気が漂う。中でも目を引くボトルが「豊洲蜂蜜エール」。これは、地元をアピールできるものをつくろうと、社長が豊洲商友会に働きかけたのがきっかけで生まれた商品。豊洲産の蜂蜜を使用し、ビールが苦手な人でも飲みやすく、ほんのり蜂蜜の香りが漂うまろやかな味。壱番亭を含む数店の飲食店と駅前のコンビニエンスストアなどで販売されている、地域限定の逸品。

店内には、大正・昭和を思わせるポスターやイラストがたくさん。「電気ブラン」や「ホイス」といったお酒も楽しめて、レトロな雰囲気が漂う。中でも目を引くボトルが「豊洲蜂蜜エール」。これは、地元をアピールできるものをつくろうと、社長が豊洲商友会に働きかけたのがきっかけで生まれた商品。豊洲産の蜂蜜を使用し、ビールが苦手な人でも飲みやすく、ほんのり蜂蜜の香りが漂うまろやかな味。壱番亭を含む数店の飲食店と駅前のコンビニエンスストアなどで販売されている、地域限定の逸品。

狂牛病、鳥インフル…苦労を支えてくれたのはお客さま

開業してからの20年は、驚くような出来事ばかりだったと話すおかみさん。狂牛病、鳥インフルエンザ、O157など、食に関係する事件や伝染病の流行は後を絶ちませんでした。

「その時ばかりは、在庫が腐らない商売がうらやましいと正直思いましたよ。事件が起こっても営業を続けましたから、いらしてくださるお客さまにはいつも通り新鮮で美味しいものを提供したいでしょ。でも、仕入れるのも一苦労だし、残ったらロスになってしまう。どうして? また? と悔しい日々でした」

いつどんなことが起こるか分からない。だからこそいまでも、決して安心はしていないといいます。
食べることは命につながります。危機意識を持って真面目に商売をしていきたいと思っています」

画像: 狂牛病、鳥インフル…苦労を支えてくれたのはお客さま

苦労の絶えなかった20年。時々折れそうになる気持ちを支えてくれたのは、お客さまたちとの交流だったそうです。
「以前、常連さんが突然『明日から来ないよ』とおっしゃって。理由をたずねたら転勤なさると。最後にうちのランチを食べに来てくれたんだなあ。と思って嬉しくなりました」
また、離れた支社へ移った方が「久しぶりに豊洲に来たからカルビクッパ食べに来たよ」といって寄ってくれることも。
「チェーン店と違って、ずっとここにあるということがうちの強みなのかも。私とベテランの女性スタッフが、お客さまにとって“豊洲のお母さん”のように感じてもらえているようで、こちらも幸せです」

画像: 店内の壁にずらりと並ぶのは力士の手形色紙。これは縁あって知り合った尾車部屋の錦風という元力士(現世話人)が、同部屋の力士を連れて食べに来てくれたり、他の部屋の力士にもらってきてくれたりして徐々に増えていったもの。

店内の壁にずらりと並ぶのは力士の手形色紙。これは縁あって知り合った尾車部屋の錦風という元力士(現世話人)が、同部屋の力士を連れて食べに来てくれたり、他の部屋の力士にもらってきてくれたりして徐々に増えていったもの。

豊洲が「帰りたくなる街」になるように

豊洲といえば、変化が早い真新しい街というイメージがあるかもしれません。おかみさんもかつて、その早さを実感されたことがあったそう。
「長男が高校生のとき、部活の合宿で一カ月ほど家をあけたことがあったんです。当時、ちょうどゆりかもめの工事中で、出発前は舗道もガタガタ。でも帰って来たら開通していて街がピカピカに。それを見た息子が『おかあさん、僕、浦島太郎になっちゃったよ』と。そんな街だからこそ、時代の早さに翻弄されない人と人とのつながりも大切なんじゃないかと思うんです」

画像: 豊洲が「帰りたくなる街」になるように

豊洲は、集合住宅に住む核家族が多い街。社長一家も豊洲のマンションにお住まいだそう。でも、商店街では昔と変わらず、盆踊り大会やハロウィンパレード、お楽しみ抽選会などを企画して、下町の人情味あふれる住民交流の機会を設けているといいます。

「深川祭もそうですが、ここで育った子どもたちが成長したとき、街のイベントを思い出して『懐かしいな、帰ろうかな』と思ってくれたら本望。そして、この街で働く人たちにとっては、うちのお店がそんな存在になれたらと思っています」

豊洲商友会婦人部部長も務めるおかみさんならではの熱い思いですね。
「豊洲は元気な街。みんな歩くのが速くて、ハツラツとしているでしょ。公園でも、子どもたちの声が聞こえてきて、こちらまで元気になりますよ」
スピード感のある新しさと下町の人情が共存する街、豊洲。この街で働く人や暮らす人を包むおかみさんの愛情が、壱番亭の料理の最大の隠し味かもしれません。豊洲へ来られる際にはぜひ、胃袋も心も満たされるパワフルな壱番亭のランチをどうぞ。

深川壱番亭さん、今回はごちそうさまでした!

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