2018年6月7日、8日に開催された日本ユニシスグループの総合イベント『BITS2018』レポートの後編です。約2,800名が来場した会場では、AIやIoTなど話題の技術を活用した先端ソリューションが満載でした。後編もNexTalk編集部のミキティーが、すごい未来を予感させる展示内容を紹介します。
【ブースNo.36 Ciscoの次世代エンタープライズネットワーク】
いきなり、このブースは何? 次世代のエンタープライズ・ネットワークプラットフォームであるCisco DNA?? えっと……。落ち着いて説明を聞いてみましょう。
DNA とは、Digital Network Architectureの略。なんでも、既存のネットワーク構造を変えてしまうほどの威力があるプラットフォームらしいですよ!
これまでは、管理者であるベンダーSEが、機器ごとに手作業で設定・管理していたスイッチやルーターですが、Cisco DNAは、コントローラーによる設定・管理の自動化を実現。「DNAセンター」で、世界中の支社のネットワーク機器を100台であっても1,000台であっても、一括で設定・分析・管理できるようになるそうです。
ネットワーク機器を一括で管理するなんて。管理者は、相当な知識を持つエキスパートしか務まらないのでは?
これについて担当者は、「難しいことも、web上で簡単に見せるのに成功しています。マニュアルさえあれば、特別な知識がない人でも管理できるようになっています。つまり、私のようなSEが必要なくなるのですよ。極端な話、ミキティーさんでも、管理運営ができるのです。ちなみに、システム導入は、3割が初期投資、7割が運用コストですが、Cisco DNAがあれば、運用コストの大幅削減が可能になりますよ! ワッハッハー」とのこと。
大丈夫ですかーー?? だって、ユニアデックスのメイン業務の1つは、ネットワーク運用ですよね?? 自社のサービスが不要になるかも? というすごいソリューションを提供してしまうユニアデックス、さすがです!!
【ブースNo.2 瞳孔表情解析技術で、ビジネスに新しい価値を】
こちらは、日本ユニシスと夏目綜合研究所が共働で進めている取り組みですね。夏目綜合研究所は、人の感情を数値化する瞳孔反応解析システムを研究開発している会社。日本ユニシスが誇るICTを中心とする先端技術を活用することで、幅広い領域で新しいサービスを生み出し、社会課題の解決を目指しているそうです!
それにしても、なぜ、瞳孔の大きさなのでしょうか? 実は、瞳孔は心臓や肺と同じように、意識的に動かすことはできず、無意識に本心が表れるそうです。興味・関心があるとき、瞳孔は大きくなるそうですよ。
例えば、こちらの装置。モニターの周りにある3つの機器で、瞳孔の動き、画面の明るさ、表情の3つを同時に測っています。明るさを計るのは、瞳孔は明るさによっても大きさが変わるため。この装置を応用すれば、近い将来、人が運転中にどこに関心を向けて見ているかが、測定できるそうです。事故の防止にも活用できますね。
ビジネスシーンでは、店舗を訪ねたお客さまが、広告のどこに注目しているかを測れば、広告効果を測定することもできます。採用面接で、学生が言葉では「入社したいです」と言っていても、本当はそれほど興味ないな、なんてことが分かってしまったり!?
「目は口ほどに物を言う」って、本当だったのですね。SFみたいな世界を想像すると、なんかドキドキするので、失礼します……。
【ブースNo.43 未来サービス研究所「ICTインフラ高度化に向けたAI適用の取り組み」~∞ReNomを使った新たな展開~】
こちらは、ユニアデックス未来サービス研究所のブースです。活動の1つとして、AI・機械学習などの技術とデータを活用し、ITインフラ運用の課題解決を図るための研究を行っているそうです。
例えば、システム障害の予兆検知。AI・機械学習の技術によって、サーバーやネットワーク機器のログを記録することで、システムにいつもと違う振る舞いが検知されれば、システム障害の予兆として事前に対応できます。実証実験では、障害発生の7~12日前に予兆を検知したそうです。素晴らしい! 私のミスも、AIが事前に検知してくれたら防げるのに!
2018年3月から、ユニアデックスはグリッド社と、機械学習/深層学習AI開発プラットフォーム「ReNom(リノーム)」を活用したITインフラサービスの開発・提供に向けて協働しているそうです。
「ReNom」は、AI開発に必要なアルゴリズムをライブラリとして備えており、各ライブラリを組み合わせることで、専門家でなくても比較的容易に自社のビジネスに適したAIを開発できるというプラットフォームです。 誰でも簡単に使えるようにすることと、高度なアルゴリズムを組み合わせて使えることを目的として2016年5月にリリースされました。
そして、こちらの犬と猫の画像も気になります。こちらのデモは画像認識の準備作業で画像データにタグ付けをするツール「ReNom TAG」です。例えば犬と猫の画像認識で、それぞれの画像データに"dog"や"cat"といった検出したい物体のバウンディングボックスをGUIを用いて付けることができます。「ReNom」は、AI開発を行うための各種アプリケーションなども公開しており、幅広い産業分野で活用されています。これについては、『BITS2018』の講演でもお話がありましたので、そちらのレポートをご覧くださいね!
いやー、今年も『BITS』は大賑わいでした。最先端技術について、担当者から直接話を聞こうと、ブースに並んでいる参加者の姿も。内容も昨年と比べて確実に進歩していますね。これらの技術が現場でどう利用されるのか、そして私たちの社会はどう変わっていくのか。想像を膨らませると、ドキドキ・ワクワクします!
関連リンク
AI適用のポイントについては、講演レポート「今のIT運用に満足してますか?~ エンジニアのナレッジ ×ディープラーニングで見える未来 ~」でも紹介しています。