ユニアデックスでは毎年4月に、社員の結束を固めるための社内イベントを実施しています。先月も盛大に実施しましたが、今年度はサプライズゲストとして書家/アーティストの紫舟(シシュー)さんにご登場いただきました。

紫舟さんは、2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』の題字で広く知られ、題字制作者としての印象はありましたが、今回のようなイベントでもパフォーマンスしていただけるということを聞きつけ、「結束を固める場にふさわしい書画のパフォーマンスをぜひに」と依頼したところご快諾いただいた次第です。

画像: 書家のパフォーマンスというとついつい大きな筆と紙で、床に向かって書くことを想像してしまうが、それでは会場で皆が等しく見ることができないため、紫舟さんは大きな和紙を垂直に立てた状態で書くと言います。なるほどこれならよくわかる。みるみる作品が描かれてゆく様子は、全体を通して静かでありながらもどこかアスリート的で、観客の目を奪った。

書家のパフォーマンスというとついつい大きな筆と紙で、床に向かって書くことを想像してしまうが、それでは会場で皆が等しく見ることができないため、紫舟さんは大きな和紙を垂直に立てた状態で書くと言います。なるほどこれならよくわかる。みるみる作品が描かれてゆく様子は、全体を通して静かでありながらもどこかアスリート的で、観客の目を奪った。

イベントの中盤、静かな音楽とともに登場した紫舟さんは、そのままステージ上に立てられた縦3メートルはあろうかという大きな和紙に向かいます。最初は思いのほか小さい筆を持ち、表から描き始めたのは鷹の絵です。丁寧にくちばしや目や羽を描いていたかと思えば、和紙の裏側に回り、裏面から墨を乗せることで表面に翼が浮き出てきます。クライマックスでは、鷹の目線の先に太陽が描かれ出すと、次第に「創」という文字があらわれます。

描き手は見えず、絵だけが次々と浮かび上がるような不思議な演出で、観客はたちまちひき込まれてしまいます。約15分間のパフォーマンス、描かれたのはご覧の通り「創」の字と羽ばたく鷹の絵です。未来に向かって、困難に立ち向かい創造するという意味が込められており、当社にとっては正に勢いづくきっかけになる作品を描いてくれました。


画像: よく見ると「創」の字と「人」という字を合わせた造語。書家になると決意して以来、この文字を名刺の裏に入れてきたというほど、紫舟さん自身にとっても思い入れが強いとのこと。右は本番に向かうにあたり用意された下絵。

よく見ると「創」の字と「人」という字を合わせた造語。書家になると決意して以来、この文字を名刺の裏に入れてきたというほど、紫舟さん自身にとっても思い入れが強いとのこと。右は本番に向かうにあたり用意された下絵。

紫舟さんは、現在ミラノで大展覧会を開催と世界でアーティスト活動を行いながら、日本では伊勢神宮への書の提供など、多岐にわたり活動され代表作も実に多数。受賞歴も華麗です。2014年のフランス国民美術協会展では書画で金賞、「書の彫刻」で最高位金賞と、日本人初の金賞ダブル受賞をされています。

「書の彫刻」? 一瞬、それは一体何? と思わせます。これは実物を拝見しましたが、書で書かれた文字を3次元の立体造形にした彫刻作品です。筆圧の深度を、彫刻の線が手前と奥に前後することで視認でき、平面ではなく立体にしたことで文字の奥行きを感じることができるのです。
あたかも宙を舞う書です。彫刻に光を当てることで壁面に文字の影が映し出され、そのゆらぎが、文字が内包する意思をあらわしているかのようです。全く独創的な世界観です。この作品により「北斎は立体を平面に、紫舟は平面を立体にした」と評されたそうです。

画像: 手前が彫刻。光をあてることにより奥の壁には文字の影が映る。溶接も自分でされているとのことで、もっと驚いた。

手前が彫刻。光をあてることにより奥の壁には文字の影が映る。溶接も自分でされているとのことで、もっと驚いた。

北斎も引き合いに出されるほどの紫舟さんに、当社のためにと作品を作っていただいたとは、なんとも贅沢なことです。社員も大いに盛り上がりました。紫舟さん、これからも類を見ない作品づくりと世界への発信に精力的に取り組まれてください。

画像: 【紫舟展のご案内】 3月12日(月)~6月8日(金) 東京銀座の「ノエビア銀座ギャラリー」で『紫舟展 書、立体への挑戦』を開催しています。記事でもご紹介した「書の彫刻」ほか、書や書画作品など、紫舟さんの表現の変遷が一堂でご覧になれます。書を平面から立体へ解放するという挑戦の軌跡をご堪能ください。入場無料 詳しくはこちら>>>『紫舟展 書、立体への挑戦』

【紫舟展のご案内】
3月12日(月)~6月8日(金) 東京銀座の「ノエビア銀座ギャラリー」で『紫舟展 書、立体への挑戦』を開催しています。記事でもご紹介した「書の彫刻」ほか、書や書画作品など、紫舟さんの表現の変遷が一堂でご覧になれます。書を平面から立体へ解放するという挑戦の軌跡をご堪能ください。入場無料
詳しくはこちら>>>『紫舟展 書、立体への挑戦』

画像: 5月11日~6月23日 イタリア、ミラノ ルチャーナ・マタロン財団にて『 “Satori” La percezione dello spirito』が開催されています。近年取り組んで知る「浮世絵」をテーマにした新作を数多く展示するほか、代表的な作品を網羅した大規模な展覧会となっています。現地の様子は、随時Facebookでお知らせされているので、ぜひご覧ください。https://www.facebook.com/sisyu8/

5月11日~6月23日 イタリア、ミラノ ルチャーナ・マタロン財団にて『 “Satori” La percezione dello spirito』が開催されています。近年取り組んで知る「浮世絵」をテーマにした新作を数多く展示するほか、代表的な作品を網羅した大規模な展覧会となっています。現地の様子は、随時Facebookでお知らせされているので、ぜひご覧ください。https://www.facebook.com/sisyu8/

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