「第三回共創パートナーネットワーキング」」の『共働PoC』活動に参加くださった納田牧場の代表取締役社長 納田 明豊さん。業界の異端児とまで呼ばれながらも「養豚業を盛り上げたい!」という信念を持ち、さまざまな挑戦をされてきました。その取り組みをご紹介します。

サラリーマンからの転身。業界の異端児として独自の道を突き進む。

― 納田さんは、元々は養豚とは無縁のサラリーマンだったそうですね。

大学卒業後は一般企業に就職し、普通の会社員として働いていました。ある日、妻の実家から連絡があり、養豚業を営んでいた義父が体調を崩し、廃業すると聞いたのです。義父は、とてもクオリティーの高い豚を作っていましたので、「途絶えさせてしまうのはもったいない」と思い、退職して跡を継ぐことを決めました。26歳のときでした。

― セミナーで納田さんは、「これからの畜産業は間違いなく二極化する」とおっしゃっていましたが、どういうことでしょうか?

たくさん量を作る農家と、付加価値をつけて小規模でもやっていける中小の二極化です。養豚に関しては、年間10万頭以上出荷する牧場が多い中、納田牧場は年間1,000頭の出荷です。小規模ながら、サプライチェーンの勝者を目指しています。

画像: 納田牧場 代表取締役社長 納田 明豊さん

納田牧場 代表取締役社長 納田 明豊さん

― 納田牧場は、斬新なことに取り組み、特徴を打ち出しています。

義父の時代は、豚を育てて出荷するところまででしたが、私が引き継いでから、肉を切って、加工し、自分達で販売までするワンストップ経営に切り変えました。年間1,000頭のうち、9割は直売所で売っています。その結果、家族経営を脱し、従業員を雇って法人化することができました。

― 養豚場が直売所を持つのは珍しいことですよね?

「自分で生産して、自分で販売する」という形は、畜産業をしている人にとっては理想だと思います。でも、手間がかかりますし、今までにないスタイルなので、形にできている人はいないですね。

― 納田さんは、なぜそれが可能だったのでしょうか。

私は畜産業について全くの素人で、業界の当たり前に対して、常にクエスチョンマークを突きつけながら、人と違うことをしてきたからだと思います。業界の常識を無視してきましたから、風当りは強かったですね。業界の異端児とまで呼ばれました。

画像: ― 納田さんは、なぜそれが可能だったのでしょうか。

― そんな中、直販を9割までもってくるまでには、やはり相当の年月がかかったのでしょうか。

直販の比率を少しずつ上げ、9割までくるのに10年かかりました。それを見ていた最大手食肉販売会社から、「徳島ブランドとして売らせてほしい」とまで言われました。現在、残りの1割は、そこから販売してもらっています。

― 鳴門金時を飼料とするブランド豚「金時豚」を考案されましたが、「鳴門金時を食べさせたら、おいしい豚になるに違いない」と予測できたのでしょうか?

最初は肉の味のためというよりは、イメージのためでした。どんなにおいしい肉でも、まずは消費者に手を伸ばしていただかないと、わかってもらえません。「鳴門金時を食べて育った豚なら、手に取ってもらえるのでは」と考えました。期待に応える品質には自信がありましたから。結果的に、鳴門金時を食べさせた豚は赤身が増して、さらにおいしくなりました。

画像: ― 鳴門金時を飼料とするブランド豚「金時豚」を考案されましたが、「鳴門金時を食べさせたら、おいしい豚になるに違いない」と予測できたのでしょうか?

AIの力で人材不足を解消し、養豚業を盛り上げたい!

― 養豚業が抱える課題は何でしょうか。

養豚場が抱える最大の課題は、高齢化・後継者問題です。農業は、休みがない、給料が低い、というイメージが根付いています。これでは誰も跡を継いでくれないですよね。納田牧場には3人の従業員がいますが、週1.5休で、給料は初年度でも約20万円払っています。畜産業の平均よりもかなり高いですね。

― 会社員の初任給より高いぐらいですね!!         

顧客満足の前に、従業員満足を大事にしないと、良い商品を提供することはできませんから。雇用条件、給与条件が満たされたときに初めて、仕事自体のやりがいが、働くことのモチベーションになると思っています。

― 今回、『共働PoC』のIoT実証実験への協力を決めたきっかけは何でしょうか?

畜産業が直面する課題解決に、AIが貢献してくれると期待しているからです。

― AIは、どういう形で課題解決に役立ちそうですか?

熟練者の経験や知識を、AIの技術で引継ぎ、初心者でもやっていける体制を作りたいですね。豚はデリケートな動物なので、母豚の具合や出産時期などは義父の経験値による能力がとにかくすごいのです。「この知見を、AIの技術で次の世代に残せないか」という想いでこの話にのりました。

― 今後の納田牧場および養豚業の展望をお聞かせください

納田牧場としては、豚舎を拡大し、出荷頭数を年間2,500頭まで上げていきます。それ以上の拡大は価値を落とすと考えています。同時に、養豚業の先駆者として養豚業を盛り上げていきたいですね。

― 養豚業を盛り上げる!AIもお役に立てると嬉しいです。

期待しています。これまで、AIの取り組みは牛が先頭を走り、豚、鶏は後に続くことができていませんでした。今回の納田牧場での実証実験は、豚業界としては初めての試みであり、結果を出せたことは、これからの養豚業に明るい兆しが見えてきたと言えるのではないでしょうか。AIの活用によって養豚業を魅力的な職場にして、養豚業に従事してくれる人材を増やしたいと思っています。

画像: ― 養豚業を盛り上げる!AIもお役に立てると嬉しいです。

― ありがとうございました。

今まで、豚の体温データも取れていなかったという事実に驚きました。IoTの技術があれば、体温測定も簡単ですし、出産時期の予測も経験値のみに頼る必要がなくなります。納田さんのように明確な課題意識を持って、柔軟に、かつ積極的にAI技術を活用する意欲がある方が、養豚業界に新しい風を吹かせてくださることを期待します!

画像: 阿波の金時豚専門店・アグリガーデン 住所:徳島県阿波市吉野町西条字姥御前98-1 TEL:088-696-2983 www.agurigarden.com

阿波の金時豚専門店・アグリガーデン
住所:徳島県阿波市吉野町西条字姥御前98-1
TEL:088-696-2983

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