ユニアデックスには、資本参加している東南アジアと中国に7つの海外関連会社があります。当社の100%現地法人であるネットマークス上海の田中憲二郎社長が、中国の春節(旧正月)のお休みを利用して帰国されましたので、お話を伺うことができました。

ネットマークス(上海)についてご紹介ください

ネットマークス(上海)は、2003年1月に設立しました。現在スタッフは約20名、私のほかにもう1名日本人の技術責任者がおりますが、あとは現地のスタッフです。上海に本社があり、広州と大連と天津の3カ所に事業所があります。私は2017年から経営(CEO)に携わっていますが、小さい組織なので、いわゆる何でも屋なんですよ(笑)。事業内容はユニアデックスと同様にネットワークインテグレーション全般でして、現地の日系企業向けにPC・サーバーの設置からインターネット基盤の設定・保守まで手掛けています。最近の傾向として、中国に進出する日系企業は日本本社からの意思決定を少なくし、現地化することを目指す傾向にあるため、PC関連やネットワーク周りのアウトソーシングビジネスに事業拡大のチャンスがあると期待しています。

現在、アクティブなお客さまは130社ほどあり、日系企業が98%でそのうちの半分が製造業のお客さまです。一部現地で新規開拓したお客さまもいますが、ほとんどがユニアデックスを入口として紹介されたお客さまで、ユニアデックスと密に連携してビジネスを進めています。最近は、システム開発系の案件も出始めてきたので、徐々に事業テリトリーも拡大してきました。

ー ところで、田中さんはなぜ中国に行かれたのですか?中国語は話せたのですか?

私は、当時日本のネットワークインテグレターに勤めていたのですが、8年前に一念発起してそこを退職、中国に渡りました。自分の強みが欲しかったですし、以前から海外で働きたいと思っていたので。中国を選んだのは、大きく発展していく勢いがあり、将来性があると予測したからです。しかし、中国語は「謝謝」しか話せませんでした(笑)。ですので、最初は学生ビザで入国し、語学学校に通いました。中国では日本のアニメなど日本文化が大流行しているので、一部の高齢者を除いて特に若者の反日感情は思ったより多くなく、また上海は東京と同じような大都会なので苦労せずに溶け込めました。

画像: NM上海のオフィスにて。右は、日本人技術責任者。

NM上海のオフィスにて。右は、日本人技術責任者。

日本と中国(もしくは上海)の生活やビジネス上での違いを教えてください

ご存知の通り中国の国土は広大ですので、私は会社がある上海と広州、大連、天津のことしか分かりませんが、8年経ってもけっこう驚くことが多々あります。生活面では、2010年頃は、まだ街中で鶏が生きたまま売られていて、客が購入するとその場で締めてさばき、それを客は持ち帰っていました。当時、鳥インフルエンザが流行中でしたので、かなりビックリしましたね。

それと、中国人は食に対するこだわりが強く、朝食・昼食を抜くことはなく必ず食べます。例えば、打ち合わせ中であっても、作業が途中であっても、時間になると突然立ち上がり、何も言わずに退席してしまいます(笑)。もう少しキリが良いところまでガマンできないものかと呆れますが、それが国民性なのでしょう。それから、日本人は時間厳守をすることは当たり前で、モノづくりに対する考え方は優れていますが、中国人はそういう分野は不得意。でも、問題を解決するための瞬発力は並大抵でなく、ギリギリでも最後の最後は必ず形にします。想定外の発生は日本人は恥と考えますが、中国人は全く平気なんです。それを瞬発力で解決できることを逆に能力と捉えます(笑)。

- 中国人の底知れないパワーを感じますね!スタッフの教育も田中さんがされていますか?飲み会とかで親交を深めているのでしょうか。

お客さまである日本企業のルールは、事あるごとに繰り返し、懇々と教えています。ですが、中国人はITセキュリティーへの意識はまだまだ低く、間違いを無意識にやってしまうので、再発防止策は打ってはいますが意識改革は浸透していかず悩ましい問題なのです。

また、当社には中国ではめずらしく入社してから10年以上のスタッフも多くいて、みな上海人なのです。色々な出身地の従業員がいることが理想と思いますが、中国では都市戸籍と農村戸籍があり、国からの待遇に差異があったりするので、対立を生むことが多くあります。なかなか日本では考えられない違いがあり難しいのです。

それに、中国人は「家族愛」がものすごく強く、仕事より家族なんです。ですから、業後の飲み会はもってのほか(笑)で、終業すると寄り道もせずに家に帰ります。たとえ社長の誘いであってもです。早く家に帰りたいから、仕事の不満や悩みなどを飲み会で話すことはなく業務時間内で話しハッサンしています。それは、それで、いいところなのでしょう。

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ITトレンドについてお聞かせください。中国はキャッシュレス社会ですね。

日本でもAlipayの導入が進んでいるようですが、中国政府の主導のもと2015年ころから始まり、今では殆どの人はAlipay利用によりほぼ完全なキャッシュレスになっています。私も上海ではお財布を持ち歩きません。コンビニ、商店、地下鉄どこでもスマホで済みますので、慣れてしまうとかなり便利です。自転車はもちろん、最近ではクルマのシェアリングサービスも盛んになってきています

画像: 新天地(上海のショッピングエリア。100店を超えるショップやレストラン・カフェがあり、人気の観光スポット)

新天地(上海のショッピングエリア。100店を超えるショップやレストラン・カフェがあり、人気の観光スポット)

- ほとんどが電子決済とは不安に感じます。システムがダウンしたり、使いすぎてしまったり、犯罪に巻き込まれたりなど社会問題はおきてないのでしょうか?

Alipayは、個人の銀行口座と紐づいていますのでお金の出入りは、ちゃんと確認できまし、クレジット機能はないので使いすぎることもありません。何億人ものユーザーが利用していますが、システム運営や詐欺などの犯罪防止については、万全な対策を施しているからこそ、ここまで普及したと思います。これまで特に、システムダウンなど大きな社会問題になるようなことは起こっていないですね。あと、中国人以外は海外でAlipayは使用できません。中国政府が外貨の流出などを懸念してかルール化しているようです。

画像: 田中社長のスマホ画面をパチリ。中国のアプリのアイコン を見せていただきました。

田中社長のスマホ画面をパチリ。中国のアプリのアイコン
を見せていただきました。

今後の展開をおきかせください。
中国はドローン大国?ネットマークス上海もIoTやAIの取り組みに関わりますか?

当社をもっと成長させたいです。ビジネスエリアを拡大し、ユニアデックスとの連携もより深め、より存在感を高めていきたいです。例えばドローンなどの成長性のある新分野の取り組みについては、国をあげて推進しています。我々も工場のインフラをきっかけに工場内のIoTやあるいはAI関連での新分野にも積極的に関わっていきたいですね。まずは、成長の足掛かりとして、日系企業の中国進出の仕方も変化があるので、アウトソーシングビジネスに特に注力していきたいと考えています。

田中社長、ありがとうございました。今後も新分野にチャレンジされて、ますますのご活躍をお祈りします。上海は大都会ですが、高層ビル群と一緒に1920年代の古きよき建物や街なみが残っていてカフェやレストランが人気とのこと。ご自身のお住まいも中国のアンティーク調のインテリアにされているそうです!

★上海から写真が届きました!ライトアップがステキです!

画像1: 外灘(わいたん:租界時代に建てられたレトロ建築がそのまま残る、上海の夜景スポット)

外灘(わいたん:租界時代に建てられたレトロ建築がそのまま残る、上海の夜景スポット)

画像2: 外灘(わいたん:租界時代に建てられたレトロ建築がそのまま残る、上海の夜景スポット)

外灘(わいたん:租界時代に建てられたレトロ建築がそのまま残る、上海の夜景スポット)

画像: 豫園(よえん:400年以上の歴史がある明代の伝統庭園がある観光スポット。隣接する商業エリア「豫園商城」)

豫園(よえん:400年以上の歴史がある明代の伝統庭園がある観光スポット。隣接する商業エリア「豫園商城」)

画像: 新天地のレトロな路地

新天地のレトロな路地

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