今やキャッシュレス化は、官民連携による国家的な戦略の一つに位置付けられている。その大きなきっかけとなるのが2020年に開催される東京オリンピックだ。2014年6月に閣議決定し、策定された「日本再興戦略改訂2014」では、「2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催などを踏まえ、キャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性向上を図る。」と掲げられており、12月には具体的な対応策が発表されている。そうしたなか、キャッシュカードやクレジットカードなどの金融系カード分野で国内屈指の発行実績を誇るDNPでは、「国際ブランドプリペイド」の国内での普及に大きく寄与するとともに、キャッシュレス化社会を支える「決済連動マーケティング」を近く本格始動しようとしている。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本でもキャッシュレス化の流れが加速

いま世界では、先進国と新興国の双方においてクレジットカードやデビッドカードなどを利用したキャッシュレス化の波が押し寄せている。一方、日本国内に目を向けると、伝統的に現金決済が好まれてきた文化もあり、多国と比してキャッシュレス化が遅れがちであった。しかしここ数年は日本においても、利便性・効率性・安全性といった観点から、キャッシュレス化への需要が急速に高まり、企業が自社ブランドとして発行するハウスプリペイドや電子マネーが広く浸透している。政府も成長戦略の一つとしてキャッシュレス化を掲げており、今後2020年の東京オリンピック開催に向けて訪日外国人によるインバウンド市場も盛り上がるなか、決済インフラの整備が加速していくと期待されている。また地方においても、地方銀行が中心となってデビットカードの導入が検討され始めている。

さらにビジネスの面では、リアル店舗やオンラインストアなどの販売チャネルに流通、プロモーションなどを統合したオムニチャネル化が、電子決済の強力な追い風となっている。

画像1: 大日本印刷 米田氏

大日本印刷 米田氏

こうした背景を受けて、DNPでは、電子決済サービスとして「国際ブランドプリペイド」「ハウスプリペイド」を提供するなど、早い時期から多彩なアプローチによりキャッシュレス化社会の浸透に取り組んできている。「国際ブランドプリペイド」は、MasterCardやVISAといった国際ブランドの全世界加盟店で利用できるプリペイド方式の新しい電子決済サービスであり、近年、クレジットカード会社による提携先の開拓や、金融業界以外からのカード発行事業への参入が、積極的に進められている。

DNP情報ソリューション事業部 デジタルイノベーション本部 副本部長の米田孝三氏はこう説明する。
「国際ブランドプリペイドは、既存のクレジット決済端末をそのまま活用することから、提携企業はコストや手間をかけることなく迅速にキャッシュレス決済システムの導入が可能となります。また生活者から見ても、インターネットを含めて幅広い店舗で使うことができるうえ、原則として与信が不要で年齢制限もないため、誰でも気軽に利用できるというメリットがあります」

DNPでは2013年から「国際ブランドプリペイド」のカード製造と決済システムのAPSサービス、申込書入力などのBPOサービスやインターネットでのカード決済時の本人認証サービス「3Dセキュア」などのカード周辺サービスを組み合わせて提供し、これまでに実に2,000万枚を超えるカード発行および運用実績をあげている。DNPは国内の印刷会社ではいち早く、クレジットカードの会員情報や取引情報の管理・運用に関するセキュリティー基準であるPCI DSS認定を取得。そうした経験に基づいて、安全・安心な決済を支える高いセキュリティー・レベルでの運用・管理体制を構築している。

販促・送客を強化し顧客生涯価値を最大化する「決済連動マーケティング」とは

決済などの金融分野、ポイントサービスなどの顧客管理の分野において多くの実績をあげてきたDNPだが、2015年秋にはその集大成ともいえる「決済連動マーケティング事業」を本格的に開始する。決済を起点にお客さまと店舗をつなぐ新しいマーケティングを実現する「決済連動マーケティング」では、これまでバラバラに管理されていた「決済」「販促・送客」「顧客管理」の3つを統合的に管理する。顧客情報と決済情報(ポイント・決済などの購買データ)を組み合わせて分析した結果をもとに、お客さまに対して適切なタイミング、方法、コンテンツによる販促・送客することが可能となる。これにより、顧客の生涯価値の最大化につなげることもできるのである。

画像: 販促・送客を強化し顧客生涯価値を最大化する「決済連動マーケティング」とは

すでにDNPでは、日本ユニシスとのコラボレーションのもと、「決済連動マーケティング」の販促・送客機能の一つとしてCLO(Card Linked Offer)サービスを2014年7月より展開している。さらに両社は、クレジットカードだけでなくプリペイドカードやポイントカードなどのさまざまな決済に連動したCLOサービスのプラットフォームを共同で開発し、2015年10月以降にサービスを開始する予定だ。

「このプラットフォームサービスを利用することで、顧客との接点が少ないため実現が難しかった商品製造業(メーカー)のCRMをO2O販促施策のもとで容易に実現できるようになります」
と、米田氏は言う。

DNPのCLOサービスは、カード会員の属性情報や購買履歴などのデータから、優待情報やキャンペーン情報を最適な会員に配信して店舗へ送客する。会員は、店舗でクーポンなどの提示は不要、カードで買い物をすれば優待特典が受けられるしくみである。

「決済と連動した気付きを与えることで、販売促進へと結びつけるというのが決済連動マーケティングの肝です。今後は、日本ユニシスと連携して、メーカーキャンペーンなどに特化した、決済と連動させた施策を支援するサービスへと、CLOサービスを進化させていくことを目指しています」(米田氏)

日本ユニシスグループとのパートナーシップで、さらなるキャッシュレス化社会を目指す

これまでにDNPが提供してきた「国際ブランドプリペイド」導入事例の中で、爆発的なスピードで多くの会員を獲得し、「国際ブランドプリペイド」が認知されるきっかけとなったのが、KDDIとウェブマネー、クレディセゾンそしてDNPの4社が連携した「au WALLETカード」である。「au WALLETカード」は、MasterCard加盟店およびウェブマネー加盟店で利用可能な国際ブランドプリペイドカードであり、携帯通話料やプリペイド利用金額に応じて貯まったWALLETポイントをプリペイドカードにチャージし、利用できるのが特長となっている。2014年5月に提供を開始して50日足らずで申込数300万枚を突破、さらに1年を待たずに1000万枚を突破したほどの高い人気を誇っている。

画像2: 大日本印刷 米田氏

大日本印刷 米田氏

DNPでは、このau WALLETのカード製造および、MastaerCardの決済ネットワークとの接続機能を提供。決済インフラは、昨年稼働した「DNP柏データセンター」に第1号大型案件として高いセキュリティー環境下で構築された。柏データセンターへのサーバーなどハードウエアとミドルウエア一式の導入・設置を手がけたのはユニアデックスだ。

DNPでのau WALLETプロジェクトのプロジェクトマネージャーを務めたDNP情報ソリューション事業部 デジタルイノベーション本部エキスパート藤本義ニ氏はこう振り返る。
「決済インフラをすべて当社のデータセンターで新規に構築し運用スタートまで辿りつけたのは、苦労も多かったですが大きな経験となっています。非常にタイトなスケジュールのなか、ユニアデックスの方々には幾度も無理なお願いをしたかと思いますが、ビジネスパートナーとしてプロジェクトの重要性を理解し、迅速かつ適切に対応していただけました。ここで築いた両社の強い絆は、次なるプロジェクトにも活かしていけると確信しています。」

au WALLETのプロジェクトで培ったノウハウは、すでに新たなプロジェクトに活かされている。DNPと日本ユニシスは、クラウド基盤を活用した「国際ブランドプリペイド」の汎用型決済プラットフォームを共同で開発し、両社共同でカード発行会社へサービス提供することを目指している。このプロジェクトでは、日本ユニシスが金融業界や航空業界などで培ってきたミッションクリティカルなシステム開発・運用ノウハウを駆使するとともに、ユニアデックスがハードウエアなどの導入・設置と、PCI DSSに精通したSEがサービスの構築支援を担っている。また、DNPグループでカード決算分野における豊富なシステム開発実績を持つインテリジェント・ウェイブがシステムのブランドネットワーク接続に関する開発を手がける。

「まさに、これまで連携してきた企業が一同に介して、新たな決済プラットフォームづくりで手を結んだプロジェクトになります。このプロジェクトの最大のポイントは、au WALLETプロジェクトの成果をベースとして、新たな決済インフラの構築からPCI DSSに対応した運用までを自社データセンターにおいてオールDNP体制で行えたことにあると考えています。現在はサービス開始に向けてまさに24時間体制で作業を進めています」(米田氏)

他にも、今年3月には、DNP、バリューデザイン、ユニアデックスの3社協同により、「ハウスプリペイドカード」のクラウド型運用サービスの海外展開を開始。3社は、アジアを中心とした海外市場でサービスを拡大させていく構えだ。

「今後も日本ユニシスグループとともに、企業のマーケティングを進化させるさまざまなサービスを順次展開しながら、さらなるサービスの充実を図っていきます」
と、米田氏は力強く宣言する。

「決済連動マーケティング」を軸に、キャッシュレス化社会の推進を強力に支援するDNP。その影響力は、国内だけではなく世界へと拡大しようとしている。

【ご案内】

'Foresight in sight'(先見性と洞察力でつくりだす未来)をコンセプトに、日本ユニシスグループの総合イベント「BITS2015」が、2015年6月4日(木)、6月5日(金)の両日、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催されます。

今回ご紹介しました取り組み内容について、「BITS2015」のセッションでもパネル形式でお話いただきます。
●日時:6月5日〔金〕15:20-16:00
●タイトル:【B-4】キャッシュレス社会が生み出すライフイノベーション
豊かな暮らしを支える新しい電子決済技術とビジネスへの挑戦
●講演者:
株式会社カード・ウェーブ 編集長 岩崎 純 氏
株式会社インフキュリオン 代表取締役 丸山 弘毅 氏
大日本印刷株式会社 情報ソリューション事業部 デジタルイノベーション本部 副本部長 米田 孝三 氏
日本ユニシス株式会社 決済イノベーションプロジェクト プロジェクト長 富田 孝志
●概要:
政府の日本再興戦略で打ち出されたキャッシュレス化推進の追い風をうけ、電子決済市場は2020年に向け大きく躍進するものと思われます。従来のクレジットカードや電子マネーに加え、国際ブランドプリペイドやデビット、モバイル決済、仮想通貨などの多様な決済手段が普及することで、私たちの暮らしはどのように変わっていくか、そこに生まれる新たなビジネス機会とはどのようなものか、パネル形式のディスカッションを通じてその要点をご紹介いたします。

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